駐車場用地情報を分析

世の中、本当に超不景気。
横浜の町を走っていても
やたらと目に付く「売地」の看板。
2年前には想像も出来なかった光景だ。

そんな土地の幾つかは必ず時間貸し駐車場になる。
これがまた、私の本業にはすごい痛手。
同業の友人はそんな駐車場が近くに開業して
月間売り上げが半減したと嘆いている。

でも、彼のように本業がしっかりしていて
駐車場経営がほんの副業ならまだしも
私のようにそれが本業の人間は
この不景気で寿命が相当縮んでしまった。

そんなブルーな秋の日の午後、携帯が鳴った。
「めったに出ないいい出物が・・・」と
久しぶりの業者からの甲高い声。

応える元気もないので
「資料をファックスで送ってください」と。
5分もしないうちに、大量の資料が送られてきた。

西横浜駅から2分、かなりいい情報の感じ。
面積が50坪で、価格が8500万
ということは坪単価170万、妥当か少し高いか。
「8000万ならいいか?」とすぐに値踏み。

既に誰かが検討した土地らしく
駐車場としての図面まで揃っている。
9台可能で、1車室月7万はいけると。
月間売上げ63万なら年間は756万円。

物件費以外の費用を挙げると
 1:仲介手数料246万円
 2:所有権移転関連費用約44万円
 3:司法書士報酬約10万円
 4:不動産取得税約40万円
 5:契約印紙代45000円
 6:機械代+工事代300万円(今回は中古品)
総合計が約645万円に値踏みの8千万を加えると
購入時総費用は8645万円となる。

次にキャッシュフローを求める。
 資金計画は借入れが7000万、自己資金1645万。
  ●収入=756万
  機械の減価償却費300万÷5年=60万
  ●支出=固定資産税月4万、管理費月9万、元本返済月21万
   利息月16万、消費税月約6万
  ※1:756万円は1千万以下なので課税対象ではないが
   私の場合他と合わせると1千万を超えるので課税される。
   アパートの賃料には課税されないので、ちょっと悔しい。
   また、今後消費税が上がることは確実なので恐ろしい存在。
 ※2:返済は元利均等なので元本に240ヶ月を掛けても
   7千万にはならない。年毎に元本返済が増え、支払利息が減る。

  =上の数字を基にして所得税を出す=
   年間収入−年間利息 − 管理費 −固定資産税−減価償却
   756万−当初190万−108万−48万 − 60万
   これで課税所得が350万、よって2割の所得税は約70万
  ●課税所得−所得税−返済元金+減価償却
   350万−70万−252万+60万
   これでキャッシュフローが年88万、月で約7万円
   ※キャッシュフローの計算は8月26日豆知識参照

7万円のキャッシュフローでは辛いので
自己資金を増やすことも考えたが
地震に備えて現金を残しておきたいので
当初の7千万円借入れの方針は変えないことにした。

翌日「8000万なら買いますよ」と伝える。
「早速すいません、ありがとうございます」
「よろしくお願いします」

さあ、先方は下げてくるか?

関連知識:レバリッジ効果とその意味
10月2日の久里浜のアパートと
今日掲載の西横浜の駐車場を買ったとする。
両方の賃貸収入は360万+756万で1116万円
両方で使った自己資金は800万+1645万で2445万円

賃貸収入を自己資金で割った自己資金利益率は
1116万÷2445万=約45.6%(これをROEという)
この信じられないような高利回りが正にレバリッジ効果(てこの効果)
※借入れという行為がてことして機能して生まれる高利回り。
 銀行金利と比べると桁違い。これほどの高利回りを
 自分の力で生み出せるのが不動産賃貸業の凄さ!

ところが、現実の生活感覚で同じ数字をいじってみると
また違う側面が見えてくる。
今回の二つの物件の年収合計は1116万円。
10倍すると埼玉のカリスマ大家さんの年収1億を超える。

つまり、年収1億だと豪語しても、借入金が多い場合は
生活費として使えるお金は
年間(10万+7万)×12で204万円だ。
子供二人を養うにはちょっと厳しい金額ではないか。
生まれながらの地主でもない限り、
カリスマ〜なんてこんなもの。
一体どうしてそうなるか?
熱心なこのブログの読者は既に分かっている筈だ。

全ての原因は幽霊所得のせい!
このアパートと駐車場を経営したときの課税所得は510万
これは数字としても、生活費としても立派な収入だ。
しかし、その中の72%が銀行返済に消えていく。
そう、残った筈のお金が土地という資産に形を変えていくのだ。

だから、ほとんどの人がスタート時にはこの仕事で飯が食えない。
この仕事に光が差し込むのには最短でも10年が要る。
そう、最初のアパート借入金の返済にめどが立ってから
少しずつ希望の光が見えてくる。

そして二つ目が返し終わると
ささやかな贅沢が可能になる。
三つ目を返し終わるとこれに勢いがつく。
借金でスタートする不動産賃貸業の世界とは
ことほど左様に忍耐と継続の世界なのだ。

レバリッジ効果の資産作りに目を向けるか
若いときの辛い生活は嫌だと目を背けるか
どちらを取るかはあなたの自由だが、
老後の生活にかなりの差がつくことだけは事実。

写真説明:またぞろ斑尾のシーズンだ。
     秋も中身の濃いイベント満載。
     第3回斑尾国際音楽村ライブ 
     (10月25日と26日)
     スキーの前にも是非斑尾へ。
   詳細は⇒http://ameblo.jp/madarao/theme-10002222752.html

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