転倒がきっかけに

観光協会のボランティアを始めてから
下見でハイキングコースを歩くことが多い。
その度に、転びそうになったり、
崖下に落ちそうになったりして、
こんな危ないハイキングは止めさせ
なければいけないと思っていた矢先に、
今回の事故が起きた。

自分が休日によく歩くのは葉山の
南郷ハイキングコース。
武山ハイキングコースに比べたら
ずっと安全で78歳にはぴったりだと
思っていた。アジサイを見ながら、
フィトンチッドを浴び、山を
歩くのは本当に気持ちがいい。

そんな爽快感で油断してしまったのか、
この日曜日に歩いた時に、思いっきり
転倒した。長い下り坂を、走って駆け
下りたのがいけなかった。もう少しで
平らなところまできた途端に、
滑って6メートルくらい転げ落ちた。

左手、両膝からかなりの出血。一瞬目の
前が暗くなった。ふと気が付くと、
ズボンの膝は破け、血がしたたり落ちていた。

寝転がったまま、「もう松葉づえの生活
なのかな」とぼーっと仕事への影響を
考えていた。しばらくそのまま寝転んで
いたら、通りがかりの美しい女性が
「大丈夫ですか」と声をかけてくれた。

彼女は彼女の飲料用の水で傷口を洗って
くれ、更に彼女のタオルで傷口をふさい
でくれたので、何となくほっとして、
松葉づえのことが頭から離れた。その上、
心配して公園の駐車場まで送ってくれた。
「神は正直の頭に宿る」とは
このことなんだと都合のいいことを
考えながら家路を急いだ。

家に帰って、仕事柄たっぷりと備えている
薬や包帯で完璧な処置をしたら、急に
眠くなり、横になったら3時間も寝て
しまった。目が覚めたら、どこも痛くなく、
車いすにはならない感じだった。
それがとても嬉しかった。

今回のことをきっかけに、二度と山歩きは
しないと心に決めた。もうすぐ80歳なん
だし・・・・
車いすにならずに済んだ上に、
新たな決心も出来たし、美しい女性の適切な
処置もあって化膿も避けられ、更に骨折も
せず、「自分はなんて運がいいのだろう」と
亡き母の写真に手を合わせて、お礼を言った。

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