建物評価減額

セキュリティの営業をしている若者に
不動産投資の「いろは」を語っていたとき、
話が弾み、かなりパーソナルな質問をしてきた。

「そんなこと君に教えられないよ」
「えっ、じゃー、いっしそうでんなんですね」
一瞬、何のことか分からず、言葉に詰まる。
しかし、何度聞きなおしても分からないので
恥を忍んでその言葉の意味を聞いてみる。
「何なの、そのいっしそうでんって?」
「一子相伝って家業の秘伝を
自分のただ一人の子にしか教えないことですよね」

自分の顔が真っ赤になるのが分かった。
先生と呼ばれているのにこんな易しい四字熟語を
知らないなんて、恥ずかしくて、恥ずかしくて・・・

その出来事をやっと忘れ、また元気になった
秋分を過ぎた最初の土曜日のことだった。
「1億を借入れしてアパートを建てると、
どのくらいの節税効果があるんですか?」と
40年以上付き合いのある友人が聞いてきた。

「減価償却分だけじゃないの?」
「でも、よく相続税対策に億単位の借金するじゃないですか」
「そうだよね、借りて3年後に死ねばいいなんて言うよね。
ちょっと待って。自信がないから調べて見る」

書斎から不動産百科事典を持ってくる。
「どうですか」
「御免、建物評価減額の制度で、住居で6割だって
つまり、1億は一挙に6千万に減額だって」
「じゃー、アパートだと?」
「1億は一挙に4千万に減額評価だって」
「年寄りに金を使わせるための法律で
経済活性化対策の一環なんですね」
「そうだね」

本当に恥ずかしかった。
投資の経験は長いので、「増やす」ことには自信があった。
しかし、相続は経験していないのでかなりの無知。
それに、まだ大した財産もないので相続の心配もしていない。

それにしても、偉そうにものを教えたり
偉そうにものを書いたりするのは本当に怖いことだ。
もう、穴があったら入りたい。
「穴はどこだ?」

関連豆知識:色々な評加減制度
詳しいことは専門家に相談した方がいいが
どんな評加減があるかだけを列挙しておく。

①広大地減額
 容積率300%未満の地域にある開発許可を要する土地
②自宅用地の一部転用による減額
 自宅の一部に賃貸住宅を建てた場合
③住宅用地への転用による大幅減額
 ずばり、子供の家を建てたりすればいいらしい
④自用地以外の土地の減額
 自用地以外に貸家を建てた場合の土地の評価減額

その他いろいろな相続税や所得税対策がある。
一例だけを挙げておく。
①青空駐車場に賃貸住宅を建てた場合の特典
②収益建物の精算課税贈与による相続税対策

写真説明:「グアムはビーチが汚いから」と
避ける人が多いが、パームビーチは砂も白く
タモン湾とは全く違う。

カテゴリー: 不動産・ビジネス パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です