都心別荘

30代で独立した教え子が暮れの挨拶に来て
くれた。高級外車の販売で成功した50歳
目前の彼は、人生の節目節目で私の意見を
求めにくる。まるで親子のような関係だ。

4年前は、賃借ビルから自社ビルへの移転
の良否について会社のあらゆる資料を
持って私の意見を求めに来た。最終的には
移転を薦めた私の意見に従って決断し、
その後の大発展につながった。

今日の相談内容は、「都心別荘」を購入
してもいいか悪いか。都心別荘購入は
田舎別荘購入よりは合理的で、上手く
いけばキャピタルゲインも期待できる。
しかし、別荘である以上はインカム
ゲインは期待できない。

「今、病気になって自分が働けなく
なっても月に150万以上の不労
収入があるとか1億円くらいの
預金とかの余裕はあるの」と訊くと、
そのどちらもないと言う。

長く生きてくると、人生には何が起きて
もおかしくないことを知る。その経験
から言うと、都心に別荘を持って豪遊する
にはそれなりの土台が必要だ。土台もなく
無茶をすればそれがきっかけで人生
そのものに失敗してしまうというのが
私の持論なのだ。

豪遊がいけないとは思わないが、
豪遊の規模に応じて資格があるのだ。
1億円のクルーザーとか別荘を買うなら、
それと同額の預金は持っていたい。
資格がない上に全額借金での豪遊なんて
恐ろしくて私にはできない。最近彼から
ポルシェを買ったが、勿論ローンなんて
使わない。ローンでないと買えないなら
買ってはいけないのだ。

「ところで、どこの別荘を狙っているの」
と訊くと、案の定「MMの北中通り」だと
言う。私も、上大岡を引き上げるときに
1年以上移転先として調査をした場所だ。
その夜景は美しさに於いては世界一だと
いう人もいるくらい魅力的な街だ。

彼が不労収入月額150万か1億円の
預金達成かのどちらかの資格を手に入れて、
私を招待してくれる日はそう遠くないと
信じている。

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