私が10棟以上持つ貸しビル屋だと
知らない若い不動産営業マンが軽口を叩く、
「この物件なら、賃料の半分が返済で、
残りの半分は夜遊びに使えますよ」
「そうだね、いっちょ買うか」
と景気よく応えるが、内心は
「貸しビル業はそんなに甘くないよ」と
思っている。
こんな営業マンに乗せられて賃貸業を
始めたはいいがその当てが外れて、
沈んでしまった投資家が私の周りには大勢
いる。
地主でない人が不動産賃貸業に参入したら
しばらくは楽の出来ない日々が続くのが
普通。賃料の半分も遊んで使えるのは
余ほどの頭金を持っているか借金なしの
人だけだ。それほど賃貸業は甘くない。
頭金が1割とか2割の場合は、
キャッシュフローを出来るだけ返済に
充て長期ローンでも出来るだけ早く
返済を完了させることが成功への鍵だ。
早く完済して空室状態を恐れなくても
いい安全圏に入ることが貸しビル業
開始の頃の常識だ。
28歳で貸しビル業に参入した私は、
20年ローンを組んだが、10年で完済した。
2号物件は34歳で購入して8年で完済した。
そう、1号物件の利益を2号の返済に充てら
れたから。3号、4号と買う頃には返済を
終えた物件の利益が追い風になり、買って
5年もすれば完済というサイクルが出来
上がった。
5号物件辺りから、したければ贅沢を
すればいい。1号から3号くらいまでは
絶対に夜遊びなんかしてはいけない。勿論、
貸しビル業以外に収入がある人は別だ。
今は、人のやらない貸付業を考えている。
例えば、キャンプが出来る山小屋風
貸しビルとか、サップが出来る海辺の
アパートとか・・・こうして、地域振興に
役立つ不動産貸付業を夢見ている。