耐久値と評価値(1) 

マンション管理の主目的は「耐久値」の維持。
建物は完成と同時に退化が始まり、耐久値は年に2P減価していく。
建直しを考えなければならない耐久値は40Pなので、
完成後に何もしなければ、30年でこの危険値40Pに到達する。
また、建物は修繕しても元には戻らないので修繕での回復は1P。
よって、築15年で大規模修繕をすると15Pの回復となる。

そこで、大規模修繕後の耐久値は、100-15×2+15=85
更に10年後に大規模修繕をすると、耐久値は85-20+10=75
35年目の大規模修繕後は65ポイントになり、55年後が45。
維持管理の成果をこうして数値化するのが私流の建物管理。

 
私が35歳のときに建てたマンション(写真)は築30年を越えたが、
完璧な修繕の結果、周囲を圧倒する美観を保っている(笑い)
もちろん、仲間の工務店の協力があってのことなのだが、
私の管理に対する情熱も見逃すことはできないと自負している。

建物の経年劣化で一番の問題はコンクリートの劣化。
俗に言う、コンクリートの寿命が60年という根拠は、
コンクリートのアルカリ度の中性化が、
3センチ内部にある鉄筋に到達するのに60年かかるというもの。

そこで、60年目の耐久理論値はどうもがいても40を割る。
これは上で例に挙げた計算式の結果とほぼ一致する。
しかし、到達したからすぐに危険な建物になる訳ではない。

更に数十年使用するために一番気をつけるのは「錆汁」の防止。
建物点検で錆汁を発見したら、すぐにそこのコンクリートをVカットし、
入念に充填材を注入し、100年を目標に努力していくのが理想。

でも、私のマンションには使われたコンクリートに問題があって・・・
工事した1980年代は、コンクリートの塩分含有率が問題化した時期。
この事件の後、海砂の使用が禁止され川砂の使用が義務付けられた。

さて、私のこのマンションに使われた砂はどちらだったのか?
事件後、改良が重ねられ、コンクリートの寿命は100年に近づいてきた。
だから、私は、我がPマンションでも100年維持を提唱している。
発注が住友不動産で施工が清水建設だから信用は出来るだろう・・・

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