相続税対策で破産

米国の景気回復のあおりで、日本では
木材が品薄状態にある。現在7か所で
同時に建築に取り掛かっている私には
とんでもない逆風で、本来なら胃が
キリキリして血を吐いてもおかしくない
状況である。

しかし、何のために長生きをしてきたのか、
何のために長生きをしようとしているのかを
考えたら、逆風でいちいち胃をやられて癌に
なっている訳にはいかないのだ。

挑戦し、逆風を楽しみ、その先の夢見た
世界を手にする精神力こそが挑戦者に
必要な資質なのだと確信している。
逆風の中でも、誰にも怒鳴ることなく、
ニコニコと事を処理していく器の人に
なりたいのだ。もしダメならそれはそれで
笑って受け入れたい。

若いころは、失敗は破産に繋がった。
だから、難局では健康を害し入院までした。
しかし、今は違う。失敗はただの失敗で、
倒産するようなことはない。それだけ
しっかりした経営基盤の上で生きている。
失敗をさえ楽しめる境地にまで登って
きたような気がする。

だから、教え子にも言っている。
還暦を過ぎたらレバリッジを利かせる経営
からは卒業しろと。例えば、50歳なら、
資産1億で借金3億でもいいだろう。でも、
還暦なら、資産2億で借金が1億のバランスが
望ましい。予想しえない失敗でも倒産しないために。

そして、古希なら、資産5億で借金を2億に
抑えるのだ。昔、新横浜に資産10億のYと
いう地主がいた。親から相続する代々の
地主だから知識も乏しく、
銀行の「相続税対策」という甘い言葉に
つられて、資産を上回る15億の借金をして
巨大なビルを建てた。

そして、リーマンショックでテナントが
抜け出し、返済に詰まり、10億の自己資産も
全て失った。その時、彼は75歳だったが、
4年後無一文で他界した、アパートの一室で・・・・
確かに、相続税はゼロだった。銀行の言う通り
完璧な相続税対策だった。

巷には、相続税対策で借金アパートを建てる
無知な地主が後を絶たない。新築の時は
百%稼働しても、5年もたてばスカスカの
アパートになることも多い横須賀だ。
そして10年もたてば修繕の波が押し寄せて
破産への下り坂へ。

バカの一つ覚えのような相続税対策だの
税金対策だのといった甘い言葉につられて
無一文になっていく資産家が大勢いる。
もう少しましな相続税対策を学んで欲しい。

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