法人化と上場について

私が最初に融資でお世話になったのが
今はなきあの「日本不動産銀行」、
後の「日本債券信用銀行」、
そして現在は「あおぞら銀行」
この銀行が本間忠世頭取(元日銀理事)の
自殺など多くの謎に包まれながら、
これほどのた打ち回るとは
全く予想だにしなかった。
その意味では、非常に珍しい経験をした。
CF.リゾート王、イ・アイ・イグループ元代表高橋治則の
舞台となった銀行が日本債券信用銀行。
銀行史の中でこれほど衝撃的な事件は他にない。

このときの担当者は後に日銀に出向し、
この世界で大出世している。
条件はその彼の采配で、頭金ゼロの全額融資だ。
返済方法は30年の元利均等を選んだ。
事業に前向きだったので元本均等は避けた。
但し、金利は8%で、当時としても若干割高だった。

横須賀の田舎者が東京のど真ん中の銀行とお付き合いをしたのは
こんな新聞記事がきっかけだった。
「毎月30万円を3年以上積み立てれば十分な与信を致します」

与信とは要するに「あなたを信用して、お金を貸しますよ」ということだ。
この記事を読んで、私はすぐに窓口に行き、その通りの口座を作った。
そして3年後からの快進撃が始まった。

毎年不動産を購入したので、4年連続で税務調査を受けた。
不当な扱いだと思ったが、今ではいい経験だったと感謝している。
お陰で、人一倍強いコンプライアンス意識を持つようになったのだ。

ちょうどその頃、横須賀で急成長したのが
安浦町から出た家電量販店のワットマン。
始めは私が先行し、「青年実業家」と囃し立てられた。
しかし、すぐに抜かれ、ワットマンが上場にまで漕ぎつけた。

しかし、このワットマンが後に経営的に苦しむ姿を見て
彼とは全く反対の生き方を選ぶことにした。
そう、一匹狼人生の方がよさそうだと、会社を売ってしまったのだ。
どうやら、今の結果を見ると、その選択は正しかったようだ。

上場とは銀行以外から幅広く資金調達する道を選ぶことだが、
それだけに、上場は社長に重い責任を課し、人生を暗くすると考えた。
そこで、銀行の金だけで事業を進めようと決心したのだった。
賃貸業も規模が大きくなれば上場も選択肢に入るが
私はお勧めしない。

関連豆知識:元利均等、元本均等
1億円を30年返済の借入れをして、
駐車場経営を始めた今までの例で説明しよう。
初年度の返済は利息が月額15万、
元本の返済が月額25万くらいとする。

① 元利均等←晴れ後曇り型(始めが楽)
元利均等とは、返済する元本と支払う利息の合計が
30年間、毎月ほぼ同額ということ。
ただ、当然のことだが、借入金が減る分利息が減るので、
後になればなるほど、元本返済が増えてくる。
私の場合、始めは利息と返済元本の比は15万対25万だった。
しかし、10年後には、10万対30万のようになっていった。
30年近く経てば、2万対38万にもなってくる計算だ。

これは生活がどんどん苦しくなることを意味する。
そう、銀行に返済するお金が出て行き、幽霊所得が増えていくのに、
利息という経費がどんどん減って、
キャッシュフローが激減するということだ。

② 元本均等←曇り後晴れ型(後が楽)
返済する元本が均等なので、
利息だけが変わってくる返済方法。
年々元本が減った分、支払い利息が減り、
後々、返済が楽になってくる。
おまけに、幽霊所得が30年間同額なので、
年をとったときはこちらの方が生活はずっと豊かだ。
つまり、元利均等よりはキャッシュフローが多く残っている。
最近では、この融資方法を受け付けない銀行もある。

写真説明:鎌倉の築15年のマンションドア
     ドアの交換には30万から50万円かかる。
     日ごろからさび止めをしておけば
     30年くらいは使えるのだが・・・

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