何でも長所に考える

同年齢で大成功者の親しい社長がいる。
この社長が数年前、長男を社長にして、
本人は引退しようとした。ところが、
この長男は重責に耐え切れず、社長就任後
たった1年で自らこの世を去った。

この時に思った。社長ってかなり強いか
鈍感でないと務まらないんだと。そして、
ふと自分のことを振り返った。自分もこの
長男と同じかなりの心配性で、本質的には
経営者には適していない部類の人間だと
思い込んでいる。なのに、なぜ経営者に
なり、それなりに結果を残せているのか。

それは、きっと「投げやりな性格」だから
だと推測している。小心者なのだが、
途中で放り出す悪い癖があるから成功できて
いるのではないか。

今でも、仕事が嫌になれば平気で会社には
行かなくなるし、嫌な奴がいればそんな奴
とは遠慮なく縁を切る。結果、楽しいこと
の連続になるという理論を実践している
だけなのだ。

例えば、塾をやっていた時代、最盛期に
その塾を売った。それは、子供が減って
いく世の中の流れが、心配性の私には、
不安でならなかったのだ。

だから、従業員のことも考え、少子化でも
生き残れそうな大手の塾に自分の塾を
売ってしまったのだ。35年前に、もし私が
投げやりな性格でなかったら、今頃は戦い
に疲れ果てて死んでいるか破産していただろう。

人を使っていると、「小心者なのに頑張り
屋さん」を部下にすることがある。そんな
人は数年先のことを心配して、頑張り
ながらもずっと悩み続けている。

そんな部下に言ってやる、「数年後にうまく
いったら、数年分の悩みは大損だね。その
悩みのせいで癌になり、数年後に死んで
しまったあとから、全てがうまくいったら
死んでも死にきれないね」と。

私は、数年後にうまくいかなかったら
投げ出す性格だからその数年間は悩まない。
だから例え小心者でも癌にもならないし、
その数年間は人生を楽しんでいられる。

「投げやりな性格」にはこうした利点が
あることに気づいたのは最近だ。我慢強い
とか辛抱強いだけがいいことではないこと
を子育て中の親には知っておいてもらいたい。
そうすれば、子育て中の悩みが半減する
だろう。 強いて言えば、どんな性格にも
探せば利点がある。子育てとは利点を
伸ばせばいいだけのことなのだ。

子育ても、むきにならないで、
「明るく楽しく」が大切だ。子供の持つ
すべての面を長所と信じ、長所として
育てることがとても大切なのだ。そうすれば、
信じてもらった子供は、信じられなかった
子供の百倍は大きく育つと確信している。

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