目に見えなくて恐ろしいものはと問えば、
誰もが「新型コロナウィルス」と答える。
しかし、私にはそれ以前から目に見えなくて
恐れているものがあった。その名は、
「ネット口座」
アナログの親族が亡くなったとき、よもや
ネット口座などあるとは思っていなかった。
ところがどっこい、しっかりとそんな口座を
持っていたのだ。そこからは、プロバイダー
料金や銀行の貸金庫料金、動画配信サービス
料金、Wi-Fi料金、別荘管理費などが自動的に
落ちていた。
と言うか、死んだ後もそのほとんどの料金が
落ち続けていて、それら全てを把握できたのは
死んで1年以上たってからだった。
そして、それら全てを清算するのに2年もかかり、
その落ちてしまった料金は当然の如く戻っては
来なかったし、その被害額はなんと200万円に
もなった。
被害額も莫大なら、その手続きの煩雑さは
もっと悲惨だった。ネット型生命保険の解約
一つにしても大正の時代まで遡るような登記簿
謄本を請求されたり、サーバー解約一つにして
も遺族の身分証明までもが半端でなくうる
さかった。
人が死んだら最初にやることは、先ず銀行口座
を止めることというのは誰でも知っている。
しかし、その銀行口座の存在が目に見えない
ネット口座は止めようがない。だから、
エンディングノートにはネット関係のデーター
をきちんと記録しておかなければいけない。
例えば、ネット口座のアカウントとパスワード
などは必須記録事項だ。勿論、使っている
パソコンのパスワードも。
友人などは、亡くなった父のネット証券会社に
あった数千万単位のお金に気づいたのが死後
3年だったというから驚きだ。まあ、
その場合は、棚から牡丹餅だろう。
できればそんな幸運に巡り会いたい。