正体を見抜く

人を見抜くことが出来なくて泣いている人を
たくさん見てきた。仕事でも、結婚でも、
友人関係でも・・・

先日、仮想通貨に足を突っ込んで苦しんでいる
人から電話があった。「一度、その説明会に
一緒に行ってください」というのだ。

話を聞いてから、止めた方がいいか続けた方が
いいかのアドヴァイスをしてくれという。
つまり、もう400万円もの大金をつぎ込んで
しまったので、簡単には止められないという訳だ。

品川の大きなホテルの一室。いかにも
詐欺師っぽい女性が現れた。もう、
話を聞くまでもなかったが、終わりまでいて、
退室した。勿論、答えは「傷が深くならない
うちに止めた方がいい」

何でこんな奴にと思える人ならまだ分かり
やすい。しかし、中には、「こんな素晴らしい
人が・・・」と思えるほど正体を見抜けない
大悪魔もいる。

結婚詐欺師にそんな悪魔が多い。結婚を
絡ませると、詐欺なのか詐欺でないのか
よく分からなくなるから質が悪い。正式に
結婚して、何億円も奪い取って、数年で
別れたら、詐欺とは言えなくなるからだ。
単なる結婚の破綻な訳だから。

結婚したら本当の正体が見えて、今は離婚を考
えているなんていうカップルはごまんといる。
料理が好きで家庭的だと思って結婚したら、
とんでもない嘘つきで、来客などへの外面だけ
がまめだったという話など枚挙に暇がない。

仕事の世界にも見抜きにくい悪魔が多い。
私も30代に一度引っかかった。出版関係の男で、
次に出す本の共同出版者になって欲しい
という話を持ち込んできた。

追浜に住んでいて、何度も家で奥さんの飯を
ご馳走になりながら出版の夢を語り合った。
電通に出入りしていて、自分が関係して出した
という本が所狭しと置いてあった。それが全て
詐欺のお膳立てだなんて若かった私には
見抜けなかった。

後で聞いたら、彼に300万だの500万だのと
騙された男がわんさか出てきた。勿論、
分かった時にはもう彼は南の島に逃げて
しまっていた。

3年前にも見事に騙された。直接的な金銭被害は
なかったが、心に負った傷はいまだに癒えない。
その詐欺師は、今でも地元で大きな顔をして
生きている。

人の正体を見破るのは本当に難しい。悪さが
際立てば際立つほど、いい人間を演ずるのが
上手いということも多いから、世の中を何事も
なく無事に生き抜くのは本当に難しい。

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