土地に惚れるな!


Love is blind. そう、恋は盲目だ。
だから、恋してしまうと欠点は見えなくなってしまう。
これは土地にもずばり当てはまる。

「この土地は絶対欲しい」と思ったときには
その気持ちに沿って、素直に言い値で買ったこともある。
しかし、そんな土地は生涯で2度しかない。

ほとんどの場合は、「この土地を買えなくてもいい」と
自分に言い聞かせながら、あら捜しの調査をする。
そうしないと、物件の欠点を見落とすからだ。
これは女性に惚れたときも同じではないだろうか。

そして、値段交渉では、自分の考えた値段を相手にぶつける。
駆け引きでなく、「その値段でなければ買わない」と言い切る。
結局、相手が頑固で、私も一徹だから買えないこともあった。
しかし、8割くらいの確率で、相手が折れてくれた。

一度は断られた話が復活した幸運も2度あった。
私が真剣に交渉をしているときに、
「高い値段で買う」と横槍を入れた人が、銀行融資を断られた。
そこで、私に売主が頭を下げてきた。
「もう1千万安くしますから、すぐに買ってください」と。

惚れっぽい性格で、いつも相手のいいなりになって
高い値段で買っている知り合いもかなり多い。
買わないで、評論家をやっているよりはマシだが
やはり、肥えた目で値踏みが出来るようになりたい。
そして、自分のつけた価格で不動産が買えたら一流だ。

関連知識:銀行融資
融資のポイントは①物件評価と②人物評価。

① 物件評価―A:土地の場合
最高融資額の目安は路線価。
路線価が坪100万円の土地50坪なら融資額は5千万円。
買付価格が8千万でも5千万円しか融資されない。
景気が悪いときは融資条件も厳しくなる。
このケースの5千万は無理で、その8掛けくらいになる。
つまり、4千万円くらいが上限。
  B:建物の場合
  基準値の算出  建物延べ面積×15=建物価値の目安
  木造 新築時80%⇒10年時50%⇒20年時20%⇒30年時0%
  鉄骨 新築時80%⇒10年時60%⇒20年時30%⇒30年時20%
  鉄筋 新築時80%⇒10年時65%⇒20年時35%⇒30年時25%
例:上記の土地に築10年、200平方メートルの鉄骨アパートが建っていると
  200×15×0.6=1800万円(最高融資額の目安)
  なので、景気がよければ、土地と建物で6800万円の融資が得られる。

② 人物評価
実際にはこれが全て。人物に力があれば物件評価なんかどうでもよくなる。
つまり、土地8千万、建物2千万円の中古アパート代金1億の9割は融資し
てもらえる。すごい人なら全額融資なんて話もある。逆に、人物に力がない
と、融資不可か通常の半額で4千万円程度くらい。もちろん、普通なら
6800万円で計算どおりの融資額になる。

CF. 力があるって?
力の一番は課税所得。普通は5百万くらいか。まあまあが1千万。
2千万を超えてくると力がある。3千万を超えるとすごいと言われる。
「それじゃ、俺はだめだ」と諦めるのはまだ早い。全く力がなくても、
保証人がすごいとまた話は変わってくる。保証人以上に力を発揮するのが
担保不動産。もし、親戚が広い土地でも持っていれば、それがすごい力を
発揮する。

CF. 何にもないときは?
年収も低く、親戚に力のある人がいないなら、こつこつと1千万以下の賃貸
マンションを買って、自分を育てるしかない。もし、30代なら、まだまだ
可能性は十分だ。

CF. いい学校を卒業していたら?
偏差値がまあまあの学校を卒業していると、
同窓生がどこかの銀行や信用金庫に勤めていて、
その人の口利きでいい思いができることもある。そう、コネだ。

写真説明:古家つきの土地を買ったら、
戦後間もない頃の肥溜めが出てきた。
重要事項にもその説明はなかった。
裁判にする時間もないので、
そのまま埋めた。本当に不動産は怖い。
それでも損はしない。

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