税金が無駄に使われる例は多々あるのですが、
一般市民がそれを目の当たりにする機会は
あまりないように思われます。
何となく、「税金の無駄遣いだよね」などと
いう話は大した根拠もなく人々が口にはしま
すが・・・
平成〇〇年に神奈川県が指定した「地方創生大学
連携事業」に関係する機会がありました。
その事業は、関係者も事業そのものも見事に
雲散霧消してしまいました。
勿論、県がつけた数百万の予算は何も生まずに
消えてなくなりました。立ち上げた動機も
不純でしたが、「大学」とか「大学教授」
とかいう名前に弱い行政や団体はひとたまりも
なく乗せられたようです。
動機が不純なことはともかく、作られた企画書
は実に素晴らしいものでした。大学の名前を
使って、これだけの文章を見せられたら大抵の
人は騙されそうです。
でも、事業を長年やっていれば、企画書が空疎
であるかないかは判断がつきます。最大の
ポイントは、企画に命を賭けている人がいるか
いないかです。
この企画書は、文章は素晴らしいですが、誰も
責任を負う人がいないのです。勿論、金を出す
人もいないのです。「皆の善意と協力」が中心
ですから、止めても怪我をする人はゼロなんです。
役所がなぜそこを見落としたか。それがとても
残念です。私も色々な企画を行政に持ち込みます。
そんな時、役所が好きなのは「統計」です。
数字の裏付けを要求するんです。
でも、事業家にとって大切なのは、「気合」
です。分かりやすく言えば、命かお金を賭ける
意気込みなんです。
「私たちはこの企画に5億出しますから・・・」
という企画書なら、どんな美しい統計が
ちりばめられた企画書より信頼できます。
役所や議員さんには、税金の無駄遣いを防ぐ
ために、こんなことも知っておいて欲しいです。