緩和ケア

死因で最も多いのが癌だが、運よく癌にならな
くても、「寝たきり10年」の道に迷いこんでし
まうこともある。どの道を通って死ぬのが幸せ
なのか、本当に難しい問題だ。言い古されてき
たことだが、人生の終わり方は誰にも選べない
し、誰にも分らない。

後期高齢者の同級生たちが15人集まったら、何
と5人が前立腺癌だと知って驚いた。ところが、
5人が5人とも治療法が違うと聞いて、更に驚い
た。更に、更にこの5人が口を揃えて言うのが、
「あと15年は生きるだろう」 表面的には落ち
込んでいる友人はゼロで、皆、心の強い友
ばかりだ。

ところが、前立腺癌と違って、痛みを伴う癌に
なると、さまざまな身体的苦痛を経験すること
になる。「緩和ケア」は、そんな痛みを伴う
がんと診断されたときから行う、身体的・精神
的な苦痛をやわらげるためのケアである。

この痛い癌と同じように、人生には死にたく
なるような多くの苦難が立ちはだかっている。
そんな時に役立つ緩和ケア法を知っていると、
人生はかなり楽になる。

私は、難題遭遇時の緩和ケアの一つとして、
「人生と言うドラマの主人公を演じていると
いう意識」を利用している。実際の人生だから、
不幸は決して楽しいこととは思えない。しかし、
この不幸な出来事を演じるように神様に言われ
ているのだと考えるようにしているのだ。
この緩和法を使うと、どんな辛いことも笑い
飛ばすことが出来るのだ。

俳優だったら、不運な役なんていくらでもやら
される。だから、自分は俳優で、今、その役を
やらされていると思えばいいのだ。ドラマ
だから、別の生活に戻ればもう辛さはない。

例えば、会社で嫌なことがあっても、
会社での仕事が終わったら、もう全てを忘れて
楽しいことをやる。明日、またその役を演じる
だろうが、会社を出たら、思い切り楽しく
過ごせばいいのだ。

人生という舞台で演じる役柄の全てを楽しめ
たら、もう、人生に辛いことはない。
人生なんて、痛みを伴う癌に比べたら、
楽なもんなのだ。「癌になっていない幸運な
人達よ、人生の嫌なことなんかで苦しんでは
いけない」

眉間にできたこの世で一番痛い癌でこの世を
去った兄の言葉は、「本当の痛い癌になって
いないなら、もうそれだけで幸せなんだから」

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