免許証がゴールドだったせいで、
74歳で高齢者講習のお知らせが来た。
どんな講習なのか聞いて回ったが、
何故か誰もが多くを語らなかった。
でも、行ってその語らない訳が分かった。
「己の身体の衰えに愕然としたからだ」
講習は3部から成り、2時間かかった。
最初が道路交通法の改正点の説明。
次が、動体視力、視野視力、夜間視力
を機械を使って検査される。
最後が、車に乗っての運転チェック。
視力の検査は、
「お前は若ぶっても目は年寄りだ」と
本人に気づかせるためのもので、
「返納した方がいいんじゃないの」と
何となく言われているような気がした。
特に夜間視力は80歳レベルと判定された。
明るい所からトンネルに入った時に、
一瞬真っ暗で何も見えないことがある。
特にこの頃そんな経験が多いと感じていた。
これって、老化のせいだったのだ。
また、最近は西日をやけに強く感じて、
40年前より太陽が眩しく思えていた。
これも目の反応が衰えたせいなのだ。
初めて知った年齢による衰えに、
「高齢者講習」の素晴らしさを知った。
どんなに夜が強くても、
どんなに見た目が若くても、
実際には、確実に身体は衰えている。
それを気づかされた2時間であった。
その意味で、終活スピードをあげようと
強く心に誓った貴重な体験でもあった。
「突然死んでも家族には迷惑をかけない」
それが私の一番大切にしている信条だ。