10億の融資

40年間の不動産投資家人生では、
毎年一回、平均一億円の融資を受けてきた。
当然、ほとんどは返済を完了したが、
財務改善で売ってしまったものもある。

その結果が、今の自分の姿なのだが、
時には、「よくやった」と思うときもあり、
「大したことはない」と思うこともある。

そんな私が、5億の借入れ二本に同時挑戦し、
そのうちの一本を土壇場で断られた。
仲間には「買った」とまで言っていたのに。

断りに来た支店長には
「理由はいいから早く帰れ」と言った。
なぜなら、企画には何の落ち度もないから。

要するに、その支店長が怖気づいたのだ。
5億以上の融資は誰にとっても怖いのだ。
彼も、「怖いので」とは言えないので、
訳の分からない理由を言う筈だと思った。
そんな話を聞く暇がないから帰したのだ。

挑戦したからこそ分かったことは、
「10億の融資は誰にとっても怖い」
10億といえば、月の返済額は5百万に迫る。
個人不動産投資家にとっては余りにも多額だ。
それは、銀行にとっても同じなのだろう。

当たり前だが、1億~2億とは違うのだ。
私のような零細個人投資家にとっては
失敗すれば、元も子もなくなる額なのだ。
突然、大地震が襲うこともありうるし。

私の大好きな座右の銘の一つが、
「起きたことは全て神のご意志」
だから、何の拘りもないし、怒りもない。
もう一つの5億の仕事に全力を注ごう。
それが神の私へのご託宣なのだ。

とは言え、初めての融資不可に遭遇し、
奔走してくれた関係各位には
多大な迷惑をかけてしまった。
この場を借りて、お詫びを表したい。

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