事業の相談に来た教え子に必ず聞く事がある。
① 「それで、今月末の現預金残の総額は?」
② 「預貯金は、一月間にいくら増えるの?」
③ 「ついでに、君の総資産は?」
これは相談に答えるための必須情報だから、
失礼だけど、聞かざるを得ないのだ。
しかし、3問とも即座に答えられる子は少ない。
開業の相談なら、3問とも必須なのに。
そこで、答えられない理由を聞くと、
「現預金・資産把握表を作っていない」という。
「事業をやるなら、そのくらい作っておけよ」
それが私の第一声である。
「手持ちの3千万で、カフェを出したい」
そんな事業計画を持った教え子が訪ねてきた。
彼も、3つの質問には答えられなかった。
店なんて、開業して直ぐに黒字にはなるまい。
だから、3千万でスタートしたあと、
何ヶ月赤字に耐えられるかを知る事が必要だ。
それを話し合いたいから聞いているのだが・・・
自分が一ヶ月生きるための金すらも把握せず、
開業して、何ヶ月耐えられるかも考えていない。
これは運転資金とは別物の話しだと強く言う。
例えば、親を介護している金とか、
乗っている車の維持費が月にいくらだとか
借金の返済が月額いくらだとか・・・
その人固有の出費がいろいろとあるものだ。
これは店の運転資金とは違うだろう。
仮に、もし予備の資金がなくても、
売れる資産があれば、また話は別だから、
③ の質問も重要なのだ。
更に、③が多ければ、
失敗したときの再起の事を考える必要もない。
事業は始めるときには、成功の夢など見ないで、
失敗した場合の想定から入ることが最重要だ。
失敗後に再起することも計算しておきたい。
勿論、帰り際に、彼へのお土産として、
「現預金・資産把握表」の作り方を教える。
これは会計士も教えてくれない貴重なものだ。
One of my ex-students visited me the other day.
He wanted my advice for opening his new business.
So far many of my former students
who challenged new business succeeded thanks to my advice.
I always welcomed my former students heartily.
I often asked them about capital to start their new business.
Few of them had enough money to start a new business.