60代・70代・80代

年を越して風邪で苦しんだ。
12月は確かに風邪だった。
正月は多分咳喘息だったのだろう。
そして、松が取れた頃に「心不全」へと悪化。

レントゲンで肺を、エコーで心臓を調べた。
肺には大量の水が貯まり、呼吸困難に。
心臓は、100超えの頻脈で体が揺れる。
発見が三日遅れれば死んだかもしれない。

「入院しろ」と言われたが、無理だと断った。
利尿剤と心臓を元気にする強心剤を処方され、
この厄介な病気との闘いが始まった。

利尿剤の効果は日常生活をも脅かす。
20分ごとにトイレに立ち、その都度大量に。
三日で3キロ、1週間で5キロの体重減。

ただし、本人的には、「若くなった」と感激。
顎のラインが若い頃のようにシャープに。
階段は50代のようにスイスイと上れる。
「もう治ったか」と再度病院へ。

レントゲンの結果は、「まだ水が・・・」
そして、更に2週間もの薬が処方された。
「完治までには時間が掛かりますよ」と。
心底がっかりして家路につく。

同窓会の病気自慢の年寄りたちの顔が浮かぶ。
「俺はお前たちとは違うんだ」と思ったが、
やっぱりお仲間に入ってしまったようだ。
これが70代の現実なのか。

60代にはまだ夢や希望があった。
生き方も前向きで、語る言葉も明るかった。
しかし、平均的には、70代には落ちていく。
一つ病気を超えるごとに、気力が失せる。
それが、マンション仲間の観察結果だ。

70歳になったトランプも今は威勢がいいが、
そのうちに絶対に倒れるだろうし、そう願う。
この私だって、70になったばかりの頃は、
「いつかは、もっともっと・・・」と思っていた。
とんでもない勘違いをして、希望に燃えていた。

80代には、異様に健康な人以外は施設行きだろう。
誰もが、御迷惑をかけまいと必死に頑張るが、
平均寿命超えの長生きは恥と迷惑の垂れ流しなのだ。

その点、この心不全ほど最良の病はない。
ぽっくり病とは心不全のことなのだから。
いつか、朝には何も苦しまずにあの世にいる。
私って、どうして最後まで運がいいのだろう。

では、お先に失礼!

I was diagnosed with heart failure.
As a result, I was told to go into the hospital.

But I didn’t obey my doctor’s order.
I’m currently getting medical treatment at home.

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