消費税還付

小売業者が税務署に払う消費税は
お客から預かった消費税の全てではない。
仕入れで払った分は引いて払うのだ。

例えば、2万円で仕入れて3万円で売ったとする。
仕入れ時に、2万×8%で1600円の消費税を
問屋さんに払っている(預けてある消費税)

そして、お客さんには3万円で売ったので、
3万×8%で2400円の消費税を預かっている。
でも、税務署にこの2400円を払う訳ではない。

この2400円から既に仕入れで問屋に預けた
1600円を引いた800円だけを納めればいい。
つまり、一つの商品が流れた時に2400円が
国に消費税として納められればいいのだ。
この計算が原則課税の仕組みである。

ところが、商品ごとにこれを計算していては
税務署も大変なので、簡易課税制度を取り入れた。
つまり、年間の取引に一定の数字をかけて、
それを消費税として計算しろというのだ。
不動産賃貸業ではその掛け目が0.6だ。

さて、賃貸業を始めて10年の教え子は
商業ビルの年間賃貸料が4千万という成功者。
この10年間、彼は簡易課税を選択し、
一昨年の消費税は、課税売上4千万×8%×0.6で、
彼が納めた消費税は192万だった。
彼は簡易課税の方が得だと思っていた。

そんな彼は、一昨年の暮れに2億円で
新商業ビルを建てる計画を立てた。
それなのに、暮れに原則課税に変更しなかった。
消費税還付の仕組みに精通していなかったから。
(2年ごとに変更可能、毎年の変更はできない)

課税仕入れに相当する2億円のビルを建てて、
建築屋に預けた消費税は2億×8%で1600万。
もし、暮れに原則課税に変更しておけば、
預け消費税の1600万―預かり消費税320万で
1280万円の還付金が戻ってきたのに。

たった一つの知識に疎かったといだけで
1280万円もの大損をしたのだ。
無知って本当に恐ろしいことだ。

Few people know refundable tax.
Especially it is difficult to understand
refundable consumption tax.

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