理事会の議題の中でも難易度が高いのが保険。
今月のテーマは、「地震保険に入るべきか否か」
勉強家の私は、事前に調べて理事会に出た。
そして、言った、「入るべきではない」と。
地震保険には、共用部向けに組合が入る保険と、
占有部のために各戸が個別に入る保険とがある。
私は各戸が個別に入る火災保険には入ってるが、
自分の占有部に地震保険をつけてはいない。
火災保険と地震保険の違いが分かっているから。
この二つの保険対象の最大の違いは、
地震がエリア災害で火災は個別災害であること。
エリア災害として有名な阪神淡路大震災では
地震数日後に行政から「開発制限」が出た。
秩序ある復興を目的に区画再設定等を行うため、
一般エリアの工事に一定の制限をかけたのだ。
関東でも大地震があれば直後にこの指令が出る。
エリア災害だと自由な建て直しが出来ないのだ。
更に、「罹災証明」の入手にも時間がかかる。
行政は申請のあったマンションの被害を調査し、
「全壊」「半壊」「一部損壊」の証明書を出す。
すべての支援金、補助金、税金の免除などは、
この罹災証明のレベルに基づいて決定される。
もし関東を巨大な地震が襲ったら、
罹災証明を貰うだけでも年単位で待たされる。
罹災証明の前に建てる工事を始められないのは
その後の補助金も税免除も受けられないからだ。
だから、スズメの涙ほどの保険金を貰うだけで
気の遠くなるような時間と困難が伴う。
更に大きな違いは、地震保険が高額なこと。
そして地震保険金がでるのは半壊か全壊だけ。
そのとき、住民の多くは避難所や仮設住宅へ。
中には遠方の親戚宅に避難する家庭も多くなる。
当然、組合総会を開くということ自体が難しい。
総会の成立に必要な出席数さえ確保も困難だ、
招集通知を全戸に届けることも難しいから。
更に更に難しい問題がある。
例え「必要な建築費の半分」が保険で賄えても、
残りの半分は住民が出し合わなければならない。
一戸あたり、最低でも数百万円のお金を、
みんな、すぐに出せたりするんでしょうか?
こうして、「建て直すか否か」が決まらない間、
地震保険金を組合が受け取っても、そのお金を
被災住民の生活支援に使えるわけではない。
「このマンションに住まない」と決断した人は、
「地震保険金を皆で分けて生活費に使いたいし、
次の住居のために使いたい」と思うでしょう。
そんな対立の中、機能麻痺に陥った管理組合が、
保険金の使途に関する合意を形成できるのか?
管理組合で入る地震保険が無意味なのと同様に
個々の区分所有者が入る地震保険も意味がない。
なぜなら、そんな大きな地震が起こった時、
管理組合が共用部分の修理に乗り出せないのに、
自分の部屋だけ直してもそこに住めないでしょ。
だって、エレベーターもトイレも使えないから。
地震保険って、
払ってても「受け取った」人は少ないんです。
あの面倒な地震保険手続きを経験した人は、
特にマンション管理組合の理事経験者は、
貯金の方が自由で使い勝手がいいと言います。
Do you know the difference between
fire insurance and earthquake insurance ?
Fire insurance covers individual area,
whereas earthquake insurance covers extensive area.
So in the case of earthquake insurance,
it is difficult to gain the insurance money.
Because condominium inhabitants can not agree
about rebuilding the condominium after a big earthquake,