詳説「負動産」

前々回の「負動産」の反響が大きくて驚いた。
もっと詳細を知りたいという依頼も・・・
暗い話なので気が進まないが、書くことにした。

要するに、高いお金を払って買ったのに、
処分する時にもお金を払ったという悲劇だ。
だから、「1円でも売れない」と書いた。
別荘、リゾートマンション、会員権・・・
いろいろとあるので、参考にしてもらいたい。

先ずは、湯沢の会員権型リゾートマンション。
通年使用できるプールもあるしゃれた建物だ。
買った値段はAランクで500万円だった。
年間の管理・修繕積立金(年会費)が6万円。

始めの3年くらいは、嬉々として使いまくった。
昼はスキー、夜は温泉プール、実に優雅だった。
しかし、すぐに飽きて使わなくなった。
それが32年前、バブル真っ盛りの時代のことだ。

友人、知人の多くが同時期に買っていたが、
飽き飽きして最初に手放したのは勿論私。
25年前で、まだ50万円で売れた。

しかし、5年遅れで、売り損ねた仲間たちは、
手放すのに平均60万円払う羽目になった。
買う人などいないので、名変料という名目で。

結局、事業主体の地元の会社は
多くの会員から金を貰って権利を戻し、
その建物は「○○ホテル」として今でも営業。
転んでもただでは起きないのが真の事業家だ。
その賢い手法には心底、驚嘆した。

次のドラマは年老いた知人の進行形実話。
伊豆の有名な別荘地、一区画が平均100坪。
買ったのはこの知人が40代だった40年前。

建物はもう崩れ落ちそうに古くなっている。
10年位前から、周りの人に声を掛けている、
「百万円でいいから買いませんか」と。

自分が1千万円以上で買っているから
ついつい「百万円でいいから」と言ってしまう。
気持ちは分かるが、時代を知らなすぎる。

こんな物件で苦しんでいる人に群がるハエもいる。
「50万円を払えば売ってあげますよ」と。
ところが、払っても売れないものは売れない。

そして、3ヵ月後に彼らは言う、
「50万円分の宣伝したんですが、売れなくて」
詐欺にならないように、チラシは刷ってある。
だから、訴えることもできない。

勿論、今80歳を過ぎてもまだ売れていない。
こんな人だから、あまり財産もなさそうで、
子供たちは相続放棄をすることになるだろう。

最後は、私の失敗談。
バブル絶頂期にゴルフ会員権を買い漁った。
5本くらいは儲けて売った。
5本くらいはトントンで売った。
しかし、売り抜け出来なかった何本かは、
業者にお金を払って買ってもらった。

例えば、500万円で買った新発の会員権。
開場前に買って、ふたを開けたら会員が何万人。
つまり、一度もやらないのにもう紙くず。
「縁故募集5百人」とは謳っていたが、
最終的に何人とは書いてなかった。
「チキショウ、騙された」

何万人もいるクズ会員権だから売れないのに、
持っていれば5万円の年会費は請求される。
それにつけこんで、変なのが現れる。

「お宅の会員権を50万払えば処分しますよ」と。
湯沢のケースとよく似た天才的商法。
この先何十年も年会費を払いたくないから
「50万円払うから処分してよ」ということになる。

このゴルフコースとこの処分業者は
絶対に裏で繋がっていると思うが、
そんな連中に付き合う暇もないから
結局は文句も言わずに処分することになる。

この世の中、怖い話はいくらでもある。
その怖さを知らないで泳ぎ回る教え子たちが
大損をしないようにするのも私の大事な役目。
まだまだ死ぬわけにはいかない。

When we buy and sell golf club membership right,
we should be careful.
It’s because golf membership right trade system
is very complicated.

Besides buyer-seller contract document 
of golf membership right is very difficult
to read the other side of its each article .
.

カテゴリー: 不動産・ビジネス パーマリンク

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