投資を終える時

日本の不動産貸付業界の王者は
三大財閥系不動産会社と森ビルなどだが、
各地方にも、それなりの王者がいる。

大きくても、小さくても、
50年以上生き残っている会社は、
それなりに建替えや大修繕を繰り返し、
生き残りに余念がない。

この建替えや大修繕の考え方や
利回りの計算式ほど分かり難いものはない。
ネットで調べても答えはないし、
銀行に訊いても明快な回答はない。

築35年の自社ビルの1室のケースだが、
この3月でテナントが退室することになった。
初期投資4千万で、35年間の売上げが
1億4千万になっている。
結果、35年間の年平均表面利回りは約10%。

初期投資の4千万の返済総額は5600万円。
かかった経費は2割として2800万円。
払った税金は約1600万円。
結果、古い不動産と4千万が残ったことになる。
この4千万円の大半は拡大再生産に使われた。

貸しビル業とはこのような物件の所有数で
その規模が決まる単純な業態だ。
この規模の物件が30以上あれば
人口50万の地方都市で最上位クラスには入れる。

さて、3月でこの物件の第一幕を終わりにして、
4月から、第二幕を開始すると想定する。
つまり、全面改修工事(リノベーション)をして、
新たなテナントを獲得しなければならない。

工事代は1400万円でいけそう。
新たな家賃目標は第一幕の8割の26万。
年間家賃は312万、稼働率9割として280万。

結果、再投資の利回りは約20%にもなる。
この夢のような高利回りは、
第一幕で不動産が取得されているから。
これで20年間回したら、第三幕は建替えか。
その時は92歳、果たして生きているだろうか。

それにしても、長生きの世界とは、
ドキドキすることの絶えない不安の連続だ。
今日死ねば、成功者で終われるのに・・・
死ぬまで成功し続けるという保証などない。

I have been successful till today.
But now I’m not certain about
whether my life will end successfully or not.

So, if I die now,
I’m sure that my life is successful.

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