母が遺した我が家の家訓では、
「車は現金で買え」ということになっている。
要するに、ローンは御法度で、金が貯まるまで
車などの高額商品は買うなと言うのだった。
母の口癖は、
どんな豪邸であっても、
その家がローンのかたまりだったら、
そんな家には住みたくないというものだった。
鎌倉で裕福と貧乏の繰り返しで育った母が、
祖父の事業の成功と失敗から得た教訓が、
「借入金の多い生活だけはしない」
事故にあったり、病気になったり、
震災や水害などの自然災害、火災など
長い人生には、予期せぬ突発事故が起こる。
その度に、事業は大きな影響を受ける。
そんな時、大きな借入金やリースが、
倒産の引き金になってしまうことを
母は嫌というほど経験したのだろう。
ベンツSクラスに乗る人の4割は、
リースを使っているという。
リースはローンよりは更に怖いのに。
1200万の車を1.87%の4年リースで乗ると、
毎月のリース代は消費税込みで約24.2万円。
ここから節税分を引くと、月経費は14万円。
リースでなく、現金買取りで4年間乗ると、
節税効果と下取り効果を算入すれば、
毎月の経費は約10万で済んでしまう。
リースの損は月額4万、4年で192万円。
単純には現金での買取りの方が良さそうだ。
では、なんで4割もの人がリースを使うのか。
理由は二つ考えられる。
一番の理由は、現金の持ち合わせがないから。
二番目は、事業資金の利回りとの関係。
リースを使うと、1年目は168万円だけで済む。
すると、1千万強のお金が事業に回せる。
もし、8%で回したら、80万円の利益を生む。
月にすると、7万円近くになるから、
この時点で、リースが月額で3万円有利になる。
さて、この試算を見たら、
亡くなった母は何と言うだろうか。
それでも、リースは止めろと言うのだろうか。
Have you ever hesitated about if you will buy
an expensive imported car or lease it ?
I must buy everything in cash,
because it is my mother’s dying wish.
I wanna keep my mother’s precepts.
But this time, I’m hesitating.
Because I can lease a car
at lower cost than usual.
“Mother, please tell me the best answer.”