断念の芽

人は欲望の塊として生まれてくる。

自宅が保育園で、そこで育ったので、
大勢の子供たちの成長を間近に見られた。
そこでの子供の生態は正に欲望の塊だった。
人には話せない子供たちの仕草もたくさん観察した。

乳が欲しいからと泣き、
不快だといっては泣く。

あのおもちゃを取れとぐずり、
それは食べたくないとぐずる。

それは私のものだと相手をたたき、
あれも私のものだと相手を蹴る。

開けてはいけない引き出しを開け、
行ってはいけない所に行きたがる、

そんな子供たちに対して、
脳科学の薦める子育ての鉄則は、
「1歳になるまでに断念の芽を育てよ」

つまり、欲しいからといくら泣いても、
貰えないものは貰えないという断念の心、
これを子供に教え込むことが大切なのだ。

泣けば貰えるという習慣がついた子供は、
もうその時から「切れる子予備軍」になり、
不登校の芽もその時から育っている。

子育てに必要な4つの愛は、
抱きしめる愛、叱る愛、褒める愛、突き放す愛
ダメな親に特に欠けているのが「突き放す愛」
(ついでに言えば、
ダメな男に特に欠けているのが「抱きしめる愛」
ダメな女に特に欠けているのが「褒める愛」)

「突き放す愛」
この愛は、子供の成長に必要な自立を促す。
自立とは、思うようにいかないこの世を知り、
自己抑制力を身につけることなのだ。

自我が目覚める第一反抗期(2歳前後)までに、
断念の芽が育っていない子は、
その後の子育てに平均の3倍は苦労する。
これはもう手遅れと言っても過言ではない。

1万人以上の子供たちの成長に関わってきて、
知能教育偏重で、断念感情の欠けた子たちの、
大人になってからの結果に唖然としてきた。

これからは、「ストップ・ザ・ハッピー子育て」
ハッピー子育てとは「可愛がるだけの子育て」
自己抑制力欠如で荒れる中高学生って、
ハッピー子育てのなれの果てなんです。

学校では、「人生、断念は恥」と教えるが、
1歳の大切な赤ちゃんには、
先ずは断念を教えなければならない。

We live in the age of
too much information.
It misleads parents.
Therefore child care is becoming
more and more difficult

30歳になる教え子が買ったマンション。
豊洲にそびえる超近未来的な44階建て。
部屋は富士山を望む億ションに近い部屋。
普通の家の子で、普通のサラリーマンの彼が
私の教えに従って金を貯め、これを買ったのだ。
まるでドラマに出てくるような洒落た部屋だった。
もう個人年金用に不動産投資も考えていて、
具体的に物件も探しているのだという。
大勢の教え子の行く末が楽しみだ。

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