地主の多くは元々農家だった人が多いので、
会社法や不動産関連法にはかなり疎い。
その弱点と虚栄心を突けば、
地主農家の息子など一発で騙せる。
この話は
そんな彼らが経験しそうなフィクションだ。
(●は悪徳不動産屋、▲は農家の息子さん)
●:農家もいいけど、歳も歳だから、そろそろ
賃貸業専門の会社を興したらどうなのよ。
▲:そうだね、もう農業だけでは食えないしね。
●:あの畑を売って4千万作れば、俺も4千万出すから、
資本金8千万で会社を作ろうよ。
▲:そんなんで賃貸ビルは買えるの?
俺の給料はいくらぐらいになるの?
●:銀行から1億借りて、1億8千万あれば、
月額賃料150万くらいの物件が買えるよ。
あんたが社長だから月給は50万、俺は月30万で、
銀行返済も完全にOKだよ。
もちろん、農家は趣味で続ければ。
▲:畑やりながら、俺が社長か、いいね、
じゃ、宜しく頼むね。
こうして、めでたく話しは纏まり、早速、
彼の土地は●クンの知り合いの投資家に、
4千万で売れた(実際には7千万で売れたが、
▲クンにそれは知らされなかった)
それから半年後に手ごろな中古のビルが買え、
継続のテナントも8割入っていて、
とりあえず135万円の家賃が入り始めた。
彼には50万の給与も約束どおり支給され、
銀行返済も無事始まった。
しかし、すぐにテナントが一つ出てしまい、
結果、▲クンの給与は30万円に下げられ、
彼の生活はなにげに苦しくなった。
その後決算期が来て、彼は決算書を兄に見せた。
驚いたことに、資本金は確かに8千万だったが、
社長である▲クンの持ち株は48%で、
約束だった50%を僅かに切っていた。
そのことを兄が決算書の読めない弟に教えた。
「これではお前はいつか首になるぞ」と
兄は弟に忠告した。
月15万になるかならないかの農業を
止めるわけにはいかなそうだった。
案の定、3年後に、彼は社長を降ろされ、
給料も10万円に下げられた。
この仕打ちに怒った彼の兄は
株の買取りを求めた。
しかし、業績が悪い会社の株など紙切れ同然。
彼が手にした売却代金は1千万円だった。
こうして、彼は7千万の価値のある土地を失い、
最後には、手元には1千万しか残らなかった。
兄ともども、弁護士に相談したが、
●クンには立証できそうな不正もなく、
結局、彼の泣き寝入りということになった。
An ignorant person with vanity is easy to be deceived
by corrupt real estate agent.
If you wanna to succeed,
you have to rise above vanity.
Be careful about elaborate fraud.
Be careful with intelligent swindler.