朝の銀行、子供を連れたお母さんが二組。
どちらの子もちょうど3歳前後か。
でも、その仕草が全く違う。
店の奥で待っているのは茶髪の20代後半のお母さん。
「本を読んで待っててね」と子供に絵本を渡す。
入り口に座った30代前半の母親は、黒髪の知的な感じ。
異口同音に、「本を読んでなさい」と・・・
ところが、同じように本を手にした子供の様子が全く違う。
奥の子は、本を投げて、身体をくねらせ、落ち着きがない。
入り口の子は、本に目をやり、微動だにしない。
もちろん、どんな親だって、入り口の子のように育てたい。
3歳で本を手にして10分も微動だにしないなんて随喜の涙だ。
好奇心旺盛な私は大胆にも尋ねる、
「どうやるとこんなに本が好きな子になるんですか」
「本を読んであげるとき、必ずキャッチボールをするんです」
「キャッチボールって何ですか」
「まだ字が読めないときに、その絵に合った質問をするんです」
「例えば?」
昨日食べたスイカの絵が載っていたら、
「この中で昨日食べたのはどれだっけ?」
「スイカは美味しかった?」
「スイカの中は何色だった?」
そして、極めつけがあるのだと言う。
「最後に、載っている絵でお話を作らせるんです」
「そうなんですか」
「この子はお話を作るのが大好きなんです」
たった3年の育て方の違いで凄い結果だ。
「栴檀は双葉より芳し」なのかも知れないが、
上手に育てることの重要性は否定できない気がした。
そして、考えた、「仕事の世界も同じだな」
仕事だって上手く進めれば、3年で結果は大違いだ。
「どうするとこんなに儲かるんですか」と尋ねる人は少ないが、
執拗な質問で私から駐車場ビジネスを学んだSさんは凄かった。
たった3年で、売上げが私の数倍に成長、車室の数は優に百を超えた。
1車室で2万は儲かるだろうから、既に月間利益が200万を超えたか。
子育ても仕事も、真剣に正しいやり方を学ぶ人は伸びしろが違う。
「俺には俺のやり方が・・・」と人の意見も聞かないで、
何時までもうだつの上がらないBさんとは大違いだ。
鎌倉は「本覚寺」の栴檀:昨年友人が感動したといっていた本覚寺の栴檀、それを今年の年賀状に載せて送ってくれた。そういえば、今年も、賀状の返事を一通も書いていない。本当に愚図な私だ。