順調に資産を増やしている教え子たち。
たまに会ってお茶をする、その前向きな生き方にホッとする。
「焦るんじゃないよ」と心の中で呟く。
年が明けて、二週間。
教え子の中でもかなり努力家のUが訪ねてきた。
いずれは不動産投資家として一本立ちするのが彼の夢。
既に、投資用のアパート一棟のオーナー。
毎月の家賃収入が50万で、キャッシュフローは30万を超えている。
ところが、彼が急に心配なことを言う。
「毎月分配型ファンド」を購入したというのだ。
次の不動産を購入する資金を早く貯めるために買ったのだと。
「年利回りが15%にもなるんです」と浮いた話をする、
最終的には、元本割れ銘柄が続出しているのに・・・
一昨年、株とファンドで持ち家まで失ったKのことを思い出した。
5年前に一緒に銀行株を買って、数ヶ月で数千万儲けたあの友人だ。
「いい事は続かない」という理由でその儲けを貯金した私と、
資金を1億に増やそうとして、やり続けて挙句に持ち家を失った彼。
このときの話を懇々と教え子に説明する。
「大丈夫です、先生の弟子ですから、もうやりません」
そして、夕方意気揚々と彼は帰っていった。
株で倉を建て、死ぬまで豊かに暮らしたという人を私は知らない。
一時的に、夢に酔うような博打的な人生を送る人が跡を絶たない。
儲ければ儲けるほど、破産への道が口を大きく開けるのだ。
「金と女は追うと逃げ、追わないと寄って来る」とは祖父の言葉。
本当に彼は止めるのだろうか、焦っていいことはないのに・・・
浜の真砂が尽きるとも、世に破産者の種は尽きまじ。
ベランダガーデン(5):今が満開のシャコバサボテン。もうこのベランダで花を咲かせて4年目になる。友人の家ではもうとっくに花が萎れているのに、私のベランダでは今が最盛期。何故か私の花たちは開花期間が長い。