親会社の倒産

友人が賃貸するテナントの親会社が倒産した。
今回の親会社は、典型的な持ち株会社。
この親会社の主たる事業は介護、建設、不動産。
友人のテナントは老人介護の子会社K。

最初に知ったのは親会社の倒産。
だから、最初はKは大丈夫かなとも思った。
でも、親会社の倒産は子会社の倒産に繋がる。
だから、例外はあるが、Kも早晩倒産するのだろう。

彼のこの事業での借入金は4億。
毎月の返済は2百万円以上。
賃貸開始が昨年の初め。
たった1年での大混乱である。
賃貸業で飯を食う者には他人事ではない。
明日は我が身と身の毛がよだつ。

ただ、一物件の借入れが4億というのが問題だ。
彼の場合はこの物件が最初の事業。
だから、この失敗は彼の破産を意味する。
親から相続した土地などの全財産を失う。
そう、全て銀行に持っていかれる。

賃貸事業では、
賃料総収入の30%が毎月の返済限度額。、
だから、仮に毎月900万の賃料収入があれば、
200万円の返済には無理が生じないという訳。
たとえこの賃料が入らなくても返済には困らない。

逆に言えば、返済の3倍近い賃料収入がなければ
4億円の借入れをする資格などないのだが、
銀行は、担保さえあればそこまでは考えない。
貸した分の担保があれば損はないから。

だから、銀行は、大地主にはごっそりと貸し付ける。
相手が無一文になることなどより儲けを重んじる。
不動産には無知の彼など乗せるのは朝飯前だった筈。

こうして無一文になっていく大地主が後を絶たない。
1年前、「お父さんは凄い」と言っていた
あの可愛い娘さんの顔が目に浮かぶ。

彼の場合、初めての賃貸事業が
4億円の借入れだったことが悔やまれる。
せめて総資産の三分の一くらいの借入れなら・・・
なんとか、別の介護事業者が引き続き
この建物を借りてくれることを祈るばかりだ。

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