更生か交換か

日本の抱える問題の多くは「謙虚さの欠如=不遜」から起きている。
政治家が行政の専門家「官僚」を軽く見ていることもその一例。
言い換えれば、市民感覚至上主義の横行がこの国を駄目にしている。
同じことがマンション住民の行動様式にも当てはまる。
建築素人の住民にマンション関連工事が分かると思うなど大不遜。
長期修繕計画に於ける排水管の問題で特にその感を強めた。
具体的には更生工事(ライニング工事など)か交換工事かの判断。
こんなことを素人が「にわか勉強」をして判断できる訳がない。
築30年で排水管の延命工事としてライニングをしたマンションから、
流れが悪く水漏れまでするという相談があったので早速見に行った。
見れば、何とライニング樹脂が内側にめくれ、管路を塞いでいる。
やってからまだ5年だというのに・・・
調べてみると、縦管が鉄管で横引きがビニール管。
ビニール管ライニングの特性でライニングが剥がれたのだ。
もちろん、元の原因は鉄とビニールの伸縮率の違い。
このような場合、更生工事は適していないから、
専門家なら交換工事をする筈。
しかし、理事さんたちが費用の面から更生工事を選んでしまった。
そして、今になってその判断ミスがこの大問題に繋がった。
更に、交換工事は費用だけでなく、工事期間中の不便が長い。
ライニングなら2日間くらいだが、交換工事だと10日近くかかる。
でも、交換すればその後50年は大丈夫なのに・・・
当選回数2〜3回の政治家に官僚を上回る知識など無理。
同じように、管理組合の理事がいくら勉強しても素人は素人。
そんな素人理事に大規模修繕を任せてうまくいく訳がない。
管理会社の担当者だって、若い人が多く工事には疎い。
謙虚でない人たちが国もマンションもダメにする。


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