契約文が命を救う

友人や知り合いに大地主が多い。
最近暗い顔をしているのは郊外型の地主たちだ。
賃貸アパートの過剰供給で稼働率が落ちているからか。

そこで、最近、
金融機関が薦めるようになったのが老人介護施設。
介護施設の賃貸借期間は許認可の関係で20年以上。
これは地主にとっても好都合きわまりない。

だから、最近、郊外のあちこちで、
雨後のたけのこのように介護施設が乱立し始めた。
この手の施設の採算ラインは45室なので、
最低でも300坪以上の土地が必要だ。

平均賃料は、1室相当8万円くらいが可能なので、
仮に、45室とすれば年間賃料は4320万円になる。
これだと4億円借りても年利回り10%にはなるので、
アパートの満室経営近くの収入になる。

しかし、この土地活用にも落とし穴はある。
最大の障害が政府の介護政策の流れ。
年々補助金が減って、施設運営者を苦しめている。

このしわ寄せは、最後に賃料に跳ね返ってくる。
10年もしないうちに賃料の値下げ交渉が始まる。
最初、キャッシュフローは十分あったのに、
いつしか外国旅行もままならなくなる。

それでも賃料を払ってくれればまだましだ。
20年もしないうちに撤退なんてこともある。
そうなったら、もうアウト。
老人施設の建物なんて転用が実に難しい。
だから、破産なんてことになる。

それを防ぐために大切なのが、最初の契約。
この建物建設時での契約文次第では、
撤退されても傷が浅くてすむ。
何事も、最初が肝心なのだ。

例えば、
「中途解約の場合には、借入金の残額を
運営者が払わなくてはならない」などというように。
兎にも角にも、最初の契約時には
その道のプロに相談することを忘れてはならない。

我が愛するPマンション。
玄関アプローチの植栽を変えたい。
ここに山ぼうしを植えた住友のセンスを疑う。
秋には実が落ちて住民の靴は散々な目に遭う。

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