受益者負担 

マンション住民のマンション付帯施設の利用料は受益者負担が原則。
この原則から著しく逸脱し、対立した住民が裁判を起こした例は多い。
この「逸脱」という言葉の解釈が意見の分かれるところなのだが・・・
一つの物差しはマンション管理の原点である区分所有法だろう。
この法律の主目的は、「住民の財産であるマンションの維持・保全」
これを知らない管理組合の多いことには驚かされる。
例えば、管理費が親睦や町内会に流用されている例はかなりある。
当然、これらはマンションの維持・保全には何にも関係ない。
横須賀のGハイという大規模マンションもその逸脱組。
ここでは、管理費がお祭りや親睦に流用され放題だ。
更に、このマンションの住民は町内会費まで払わされている。
その根拠が可笑しい、「町内会費を払わないとゴミ収集車が来ない」と。
ゴミの収集は税金で行われているので、町内会費とは無関係。
また当然、マンションの役と町内会の役が年がら年中やってくる。
聞けば、その人間関係の煩わしさは常軌を逸している。
斯くいうPマンションも初年度にこんな間違いを提案した人がいた。
理事長だった私が説明をして、事なきを得たが・・・
知らないということが如何にとんでもないことになるかのいい例だ。
受益者負担が裁判で争われた有名な事件に「エレベーター保守費」がある。
「1階の人はエレベーターを使わないから保守費分を返せ」と。
一見筋が通っていそうだが、もちろん裁判では却下された。
「建物一体化の原則」からいうと、エレベーターを切り離すことは不可能。
もし、これがまかり通ると、建物基礎部分保守費は上層階の負担なんてことに?
建物は一棟で機能していると考えるというのが判決の趣旨だった。
Pマンションで問題になりそうなのは集会室利用料金や駐輪場費だ。
4年前、「集会室を子ども会が利用するのは無料」という愚案は却下されたが、
まだ料金体系は不完全で、エアコンの利用料金は依然見落とされている。
現在の1時間200円の料金にはエアコン使用費が込みになっている。
集会室は30畳以上あり、エアコン1時間の電気代は推定で200円。
夏・冬の利用には別途エアコン使用料を徴収すべきなのだが・・・
一日使用時間が4時間だと、800円が集会室を使わない住民の直接的損害になる。
一ヶ月15日使われると12000円、1年8ヶ月として約10万円の不公平。
自転車置き場やバイク置き場の料金にも著しいアンバランスが生じている。
駐車場料金と比較すると余りにも安すぎて、受益者負担の原則からは許されない。
土地使用面積に基づく緻密な計算をしても10倍近いアンバランスなのだ。
駐車場利用者よりも自転車利用者が多いので、まともにやっても改善されない。
で、少数派の駐車場利用者の数人が、裁判で争ってみようと検討中らしい。
兎にも角にも、どのマンションでも、理事の知識不足がそこの住民を苦しめる。

鎌倉紅葉狩り:鎌倉プリンスでの朝食の帰り道、今年の紅葉も今日が最後だろうと円覚寺へ。8代執権時宗が開基の臨済宗大本山。鎌倉五山の第二位で、6万坪の敷地からその規模の大きさがうかがえる。見事な紅葉に、「京都へ行く必要がないね」と二人が同時に呟いた。何度も訪れたのに、こんな素晴らしい紅葉は初めて。大満足の寄り道になった。

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