好事魔多し

長く楽しい人生、ぼんくらの私にはちょっと出来過ぎの感もする。
もちろん、死にたい夜が続いたこともあったし、幾多の失敗もした。
最近になって、そんな失敗に一つの法則があることに気付いた。
失敗には必ず、余裕と暇が関係していたのだ。
経済的な余裕があると当然のように暇が増える。
その暇なときに、「もっとお金を」と考えた新ビジネスはことごとく失敗した。
金がなければ、石橋を叩いて渡るのだろうが、
余裕があるものだから、よく調べもしないで船出する。
生来のおっちょこちょいがお調子に乗ってやるのだから、
失敗するのは当たり前で、最大で数億、最小でも数千万は損をした。
30代、金を貸すなんて馬鹿なことも数回やってしまった。
当然、そのときには仕事が上手くいっていて、心に緊張感がなかった。
今は、どんなことがあろうと絶対にそんなバカな真似はしないが・・・
50代、パソコン進学教室もそうだった。
新開発されたソフトで高校生の英語と数学の指導をする事業。
「先生を集めるのに苦労しないのが画期的だ」とこの話に飛びついた。
「金はあるから」と見栄を張って、教室もデラックスにした。
投下した2千万の金はたった1年で消えてしまった。
親しい友人の失敗例も、「好事魔多し」の典型だった。
年収が億に届き、課税所得が5千万円以上だと豪語しているときだった。
「絶対に上手くいく」と自信満々だったが、見事に億の金を失った。
「好事魔多し」とはよく言い得ていると感心してしまう。
好事には私だけでなく、多くの人が緊張感を失っている、
その間隙をぬって魔が忍び寄ることを昔の人は知っていたのだ。
先週、玉川大学の松本教授が面白い脳科学実験の結果を発表した。
「金稼ぎだけが目的の仕事では脳の活動が低下する」
仕事で脳の活動を落とさないためにはロマンが必要なのだと。
「金に目がくらむ」ということを科学的に証明したような論文だ。
残り少ない人生で、もしまた余裕が出来たら、
この二つのことを肝に銘じて新事業に挑戦しよう。
「好事魔多し」 
「仕事は金でなくロマンで」

上大岡西の「ウナギのつるや」:一人前3500円となかなかの値段だが、味も中々大したもの。ちょっと嬉しいことがあったとき、少し元気が欲しいとき、うなぎの好きな友人が訪ねてきたとき、マンションから1分のこの店に向かう。奥さんが盆栽の「つり忍」を作るのが得意で、出来た作品の世話はご主人が担当している、仲のいいおしどり夫婦の店。

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