謙虚さ

外国はカナダにしか行ったことがない若い娘が、
「カナダは世界で一番美しい」というのに腹を立てた話を書いた。
今度は、上大岡に10年住んでいる婆さんが、
「上大岡には美味しい店がない」というので、またムカついた。
どのくらいの店にトライしているのか興味が湧いて、
広東名菜の「福鼓楼」 和食の「のわる」 カツの「津久志亭」と
私が気に入っている店の6つの名前を挙げて感想を求めた。
ところが何と、その挙げた店は一つも知らないという。
「そんなんで何故上大岡にいい店がないなんて言えるの」
そう問い詰めようと思ったが、可哀想なのでその言葉を飲み込んで、
「時間がないのでまた」と早々に逃げ出した。
世の中にはこんな厚顔無恥な輩が溢れている。
マンション管理でも似たようなことが多い。
10年間、ほとんどの理事会に出席して感じたのは、
「偉そうな顔をした人に限って何も知らない」
一番多いのが「無駄な経費を減らそう」という意見。
何が無駄なのかと訊くと、
「共用部の照明時間を短くしよう」と真顔で言う。
もう、こんな話は10年間、何度となく論議を尽くしてきた。
照明時間についての調査をした訳でなく、ただの感想で話している。
「よく調べてから言え」と言いたいのを何度我慢したことか。
照明時間の問題よりもっと大きな無駄がいくらでもある。
防火機器の定期点検や排水管清掃の回数問題もある。
最近は、集会室の利用料金の問題も気になっている。
集会室のエアコンを2時間使うと電気代は400円を越える。
それなのに使用料金は200円、何とも腹の立つ料金体系だ。
でも、これを深追いすると敵を作ることになるから目をつぶっている。
「駐車場の料金を変えよう」という意見も何度も蒸し返される。
上げたい人も下げたい人も何も過去の歴史を調べていない。
ただの思いつきで偉そうに意見を言う。
「10年経てば、10年の歴史が出来る」
だから、そんなことは論議を重ねているくらい察してもいいのに。
「駐車場の料金の決定過程資料を下さい」と言えばいいのだ。
何処其処の先生の無知蒙昧ぶりにも呆れた。
「もう少し色々な会社の見積もりを取った方がいいですよ」
こんな幼稚なことを真剣な顔をして言う、マンションの理事会で。
「そんなことは当の昔にやってるよ」と、怒鳴り返したかったが・・・
理事会と学校、理事会と会社を混同している姿が見苦しい。
事ほど左様に、多くの人に「己は無知かも・・・」という謙虚さがない。
どんなに社会的地位が高くても、どんなにいい大学を出ていても、
出来れば、「・・・と思うのですが」という可愛い言い方をして欲しい。
「カナダが一番の女」もいつかはこんな横柄な大人になっていくのか。
日本中に石原慎太郎が増殖しているような気がしてならない。
この世の謙虚さは一体どこへ行ってしまったのか。
ところで、「私の謙虚さは大丈夫なのか??? ・・・」

上大岡東の無国籍料理「ハーベスト」:昼は女性ばかりで、一人で入るのが恥ずかしくなる繁盛店。イタリアンからベトナム料理まで幅が広い。夜はイケメンのお兄さんがいる店として有名らしい。

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