甘い汁

とあるプロ野球選手と親しくしている。
近くの小料理屋の飯仲間だ。
その彼が最近別のチームに移籍して、関西に引っ越すことになった。
プロ野球の選手には所謂「野球バカ」が多いと彼が言う。
だから、私に財産運用をお願いしたいと頭を下げる。
若い頃購入したマンションやアパートの資産運用を頼まれた。
オマケに、関西に行っている間に「資産を増やして」とまで言う。
確かに、資産運用はお手の物だが、失敗しないという保証はない。
多くの知人の資産を確実に増やしてきてはいるが、いつまで続くか・・・
不動産とゴルフ会員権とは根本的に違うとはいえ、恐怖はある。
そんな不動産市況で最近気がついたことは、
交通手段がバスだけの団地にある大型物件がやけに売りに出ていること。
ドラッグストアー、スーパー、ファミレスなどなど・・・
利回りは魅力的で、10%を越す物件がほとんど。
思わず、「紹介してあげようか」という気になる。
価格は1億以上2億以下の手頃な物件が圧倒的に多い。
銀行の人間に話すと「融資は難しい」と暗い顔をする。
そのテナントが撤退した後の次が見つからないという理由から。
そう言えば、三浦市内を走っているとテナントが出てしまった物件が多い。
こんな仕事をしている私には、オーナーの気持ちが分かって、
「さぞ、悲しい思いをしているんだろうな」と重い気分になる。
こんなところからも日本の将来の姿が見えてくる。
年寄りが多く住む団地の20年後の不便な街の姿が目に浮かぶ。
スーパーも消え、ドラッグストアーも去った街に残された人たちは可哀想。
とはいえ、こんな場所の物件だけは誰にも紹介すべきでない。
不動産業界では、「駅近」の定義が変わってきている。
昔は駅から徒歩5分以内なら「駅近」といっても許された。
今はもう、3分以内か2分以内でないとこの言葉は通用しない。
それほど日本が縮小しているということなのだ。
だから、「他人への不動産紹介」はどんどん難しくなっている。
オマケに、良くて当たり前、外れたら文句という寂しい世界。
甘い汁は一人でこっそり吸う方が正しい生き方なのだろうか。
でも、お人よしの私には寂しいことこの上ない・・・

上大岡の広東名菜「福鼓楼」:自分の街の自慢になる店の一つ。友人が来れば最初に連れて行き、昼なら2300円のランチセットを注文する。夜はアラカルトで平均1300円のお料理を3〜4品頂く。上大岡の住民でも知らない人が多い、斯くいう私も最近知ったばかり。

カテゴリー: 不動産・ビジネス パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です