話題と開運

よく行く小料理屋には離婚した女たちも来る。
運から見放されたような疲れた顔もちらほら。
ふと気付いた、話題が悪運を招いているのではないかと。
彼女たちの今宵の話題は「お見合いパーティ」
「いい男が3人いてね、その中の一人とマッチンッグが成立したのよ」
「で、もうデートしたの?」
「それがね、最初のデートから割り勘よ、どう思う?」
「それって、夢ないね」
後ろの方から聞こえてくるこんな話をおかずにして飯を食う。
聞いていると、出会い系サイトも利用しているようだ。
こんな何人もの男とただそれだけのために時間を潰している女たちが、
いつか本当にいい男と遭遇し、幸せな生活が実現するとは思えない。
品のないこんな女たちにはそれに相応しい男が群がっているのだろう。
この小料理屋の並びのスナックで働く女たちの姿が脳裏で重なる。
フェイスラインが幾重にもなり、ボディラインがアルコール漬け。
夜な夜な嬌声を発するその果てに、幸せな老後はやってくるのか。
話題のレベルが低い人たちに幸運の女神が微笑む確率は低そうだ。
勢いのある人と不運な人の決定的な違いは話題だ。
勢いのある人たちの周りには儲け話の花が咲き、カルテュラルな風が吹く。
不運な人たちの周りには不満と愚痴の花が咲き、不景気風が吹きすさぶ。
ヒルズ族という言葉が流行ったことがある。
六本木ヒルズの優秀なテナントさんたちのことで、
彼らが色々と情報交換する光景がよくテレビで流れた。
昼・夜の食事での楽しい会話から仕事のヒントを得るという。
でも、上大岡のこんな飯屋ではとても開運のヒントは得られない。
「いい気の流れる場所はいい話題で満ちている、
俺ももう少し小料理屋のランクを上げよう。
こんな女たちの話を耳にしているだけで不運に見舞われそうだ」
そんなことを考えながら木枯らし1号の吹きすさぶ街に出た。

赤坂の「ざくろ」:30年前、姉によくご馳走になった店。今でこそありふれた料理の「黒酢ベースの玉ねぎドレッシングONトマト」が衝撃的だった。TBSの地下にあった時代の方が、ずっと雰囲気がよかった。森さんが首相の時代によく使っていたことでも有名。

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