マンションは大地震でも大丈夫か(2)

2011年3月の東日本大震災後の4月、
高層住宅管理協会が東北6県で管理する
1642棟のマンションの被災状況を発表した。

倒壊・大破はゼロ,中破・小破が309棟、
軽微・被害無しは1333棟という内容だった。
これで多くの人がマンションは地震に強いと思った。

その後、この大地震の分析が進んできて、
東京大学地震研究所がこんなことを言い出した。
「東日本大震災は建物に被害をもたらすキラーパルスが
阪神淡路大震災の4~5割だったので、この結果を以って、
必ずしもマンションが地震に強かったとは言えない」

そして、追い討ちをかけるようなニュースを
NHKが流し始めたという訳だ。
「仙台市ではマンション100棟以上が全壊」

これらのことから見えてくるのは、
地震強度は震度数だけでは測れないということと更に
建物損壊評価もその基準が複数あって複雑ということ。

関東大震災のような海溝型地震では、
長周期の揺れが長時間、何度も襲ってくるし、
阪神淡路大震災のような内陸地震では、
短周期で揺れの範囲は狭いが強烈な揺れが襲ってくる。
建物だけに関して言えば、阪神淡路大震災クラスに
耐えられれば問題はないような気がする。

でも、地震についてはまだまだ未知のことも多く、
地震に前向きの対策を考えている森ビルでさえ、
「逃げ込めるビルの建設」と提唱しながらも、
内心はビクビクしているに違いない。

私自身、現在あちこちで建てている建物では、
予算の許す限り国の耐震等級を大きく上回るように、
最低でも耐震等級1.2を、理想的には2を目指している。
ただ、0.2増やすだけで、建築費は1割以上も高くなる。

実際、阪神淡路大震災で、
耐震等級1.2以上の建物は安全だった。
耐震等級2のコンビニに至っては全てが無傷だった。

ということで、日本のプレハブ会社の多くも
耐震等級2以上のプレハブ住宅を建てるようになった。
だから、火事と津波さえ起きなければ、
もう日本の住宅は百%安全と断言できる。

兎にも角にも、災害に強い国を目指して、
国民全員が強い意識をもって努力していくしか
日本の生き残る道はない。

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