建物維持管理ガイド

多くの人がやっていなくて私がやっていることはかなりある。
その中の一つが「建物維持管理ガイド」を竣工時に作成すること。
新しい建物の竣工引渡し書類に必ず入れるようにお願いしている。
建築会社と私が膝をつき合わせて作ることが多い。
そのヒントはマンションの長期修繕計画書。
私が持っているマンション一棟でももちろんこの書類は作っている。
しかし、商業ビルでこれを竣工時に建て主に渡している会社はない。
マンション同様、商業ビルだって古くなるから計画的なメンテは必要だし、
何よりも、オーナーはそれに沿って予算立てをしなければならない。
家賃がすべて収入だと勘違いしていたらとんでもないことになる。
なのに、それを渡す親切な会社がないのが不思議でならなかった。
当然、これにはその建設会社にとっても二次工事依頼というメリットがある。
最近竣工したビルで渡されたこの書類は実に気が利いていた。
正に建物維持管理ガイドと呼ぶに相応しいもので、
長期修繕計画書なんて言ったら失礼なほどよく出来た作品だった。
使われている材料の特性から、その下請け施工会社まで書かれている。
電気の不良はどこの会社に電話すればいいとまで記されている。
私が求めていたものの理想形だったのだ。
この書類に沿って計算してみると、
このブログでも書いているように、毎月坪600円を積み立てることが必要。
つまり100坪の建物なら毎月6万円を家賃から差っぴき、
こつこつとその日の修繕費に備えて積み立てておかなければならないのだ。
だいたい多くのビルオーナーはこんな当たり前のことをしないで、
そのお金も収入と勘違いして、飲み食いにつかってしまう。
普通のマンションの修繕積立金より若干高くなるのは中と外があるから。
マンションでは専有部分(中の部分)に対して修繕積み立てはしない。
商業ビルは内部のメンテもしなければならないのは当然だ。
商業ビルオーナーはもちろん、ありとあらゆる建物の所有者は、
絶対にこうした建物維持管理の概念を持つべきだ。
そして施工会社にお願いして、この書類を作ってもらおう。
繁盛ビルはこうして育っていくのだから。

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