またその質問?

年寄りは同じ昔話を何度も語るので若者に嫌われる。
その原因は未来のことを考える時間が減ったからに他ならない。
未来に夢を持たず、昔の思い出に浸る毎日だから話すことも昔の事ばかり。
そんな同じような過去を何度も語る年寄りにはなりたくない。
昔話ではないが、私がよく言われるのは、「またその質問?」
夜の小料理屋仲間の稀有な体験談は何度聞いても面白いし、ためになる。
だから、ついつい「あの時はどんな気持ちだったの」と・・・
それは大好きなハワイに何度も行きたいのと似ているし、
面白い映画を何度も見てしまうのとも似ている。
妻と別れて美しい20も年下の女と一緒に暮らすドンファン。
その別れたときの修羅場の物語は聞くたびにドキドキする。
だから、ついつい「刺されたときは何を考えていたの?」
「高木さん、もうその質問は3回目だよ」
もちろん、その答えは知っている。
「このまま死んでいけたらいいなーと考えながら意識を失った」
でも、やっぱりいつか4回目の質問をしてしまうだろう。
だって、何度聞いてもすごい話なんだから。
こんな武勇伝とは違い、人には思い出したくない過去があるとか。
もちろん私だってそんなことは知っている。
でも、そんな嫌な思い出なら絶対に他人に話してはいけない。
そうすれば、聞かれて思い出すなんてこともないから。
一度でも話してしまったら、聞かれても文句を言ってはいけない。
当然、私にだっていろいろな過去がある。
でも、他人に話したことなら何度聞かれても嫌な気はしない。
嫌な気がするようなことは絶対に喋ったりはしないから。
幼少期の貧しかった思い出。
死にたくて死にたくてしょうがなかった学生時代。
辛かった40歳。
価値観の変わった50歳。
気分の波の大きさが気になる今日この頃。
私になら、話したことは何度でも質問していい。
思い出したくない過去なんてほとんどない人だから。
「それって、幸せな人生を送っているってことだよ」
そんな風に言う友もいるが、そう言えばそうかも知れない。
同じ質問を何度もする癖は死ぬまで治らないだろう。
治すつもりもないし・・・・・

鎌倉プリンスで朝食をした帰りに明月院に寄った。

カテゴリー: こころ・人生 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です