伸びている人は税務申告に対して正直だ。
逆に、没落していく人のほとんどが申告に嘘が多い。
これが70年生きてきて分かった私の経験原則。
しかし、それには至極当然の因果関係がある。
申告をごまかそうとする人はそのことで頭が一杯で、
事業に神経を張り巡らせることが出来ないのだ。
ところが、申告に神経を使わなくて済む人は、
事業のことに神経を集中でき、
結果、成功者への道を歩むことになるのだろう。
前者のやっていることは脱税として摘発され、
正規の税金のほかに、延滞金や重加算税を払わなければならない。
何かの幸運で起業に成功した若い実業家が、
このペナルティで没落していくケースは実に多いと聞く。
この種の税金は自己破産しても支払いは免除されない。
だから、死ぬまで税金に追われる羽目になる。
つまり、この時点で人生はお仕舞いなのだ。
しかし、このことを知っている人は意外と少ない。
とは言え、後者が完璧な税務申告をし続けるなんてこともない。
彼らだって、それなりに注意を受け申告の修正をしている。
また、自分で気づいて修正申告をしていることもある。
数年前、更生の指示があり、数百万円の修正申告をしたことがある。
30年前、家と土地で5千万円の物件を手に入れたときのこと。
家は古かったので、しばらくして建替えた。
これを数年前、ある人に買ったのと同額で売った。
もちろん、5千万円で買って、5千万円で売ったと申告もした。
当然何の利益も無いから税金などかからないと思っていた。
ところが、税務署が利益が出ているから数百万円払えというのだ。
驚いて、税理士のところに飛んでいった。
残念だったが、税務署は正しかった。
買った当時の建物はボロかったので、ゼロ円だと記憶していたのだが、
建物1千万円、土地4千万、合わせて5千万円で買って、
この建物1千万円分をしっかりと減価償却していたのにそれを忘れていた。
30年前に始めた中古物件の減価償却など帳簿からも消えていた。
だから、全く気づかなかったのだ。
勿論、悪意がないと認定され、ペナルティは延滞税だけ。
兎にも角にも、税務署を侮ってはいけない。
彼らはいろいろな方法で容赦なく忍び寄ってくる。
重加算税で再起不能になり、自殺した人は数限りない。
間違っても所得隠しなどしてはいけない。
枕を高くして寝てこそ成功の道が開ける!