私が育った横須賀の田舎町には
農業をやめて、畑にアパートを建てた人が多い。
そんな恵まれた人たちの人生を40年以上見てきた。
彼らがアパートを建て始めた30〜40年前には
私も既に賃貸用建物を所有していた。
その私の建物とほぼ同じ築年数の彼らのアパートは
その多くが建替えられたか、
ぼろぼろで見るに耐えないかのどちらかだ。
一方私の建てた賃貸マンションはもう50年先まで大丈夫。
同じ賃貸業をしていて、この差は大きい。
なぜ、そんなことになってしまったのか。
このブログを読んでいる人は察しがついている筈だ。
土地を相続で手にした彼らにはメンテナンスについての情熱がない。
だから、入ってきた家賃は全て生活費や遊興費に遣ってしまう。
面倒な賃貸経営については全て「〜ハウス」や「〜住宅」にお任せだ。
業者にすれば、関係するアパートが早く朽ちてくれた方がいい。
「海に近いから、思ったより耐用年数が短かったですね」
こんな口実で、お坊ちゃまに建替えを薦めるのだ。
30年の長期借入れの返済が終わったらアパート建物も終わりでは
「これから返済の終わった莫大な賃貸収入で楽しい人生を・・・」
などとは、とても考えられない。
「出口戦略がないところに賃貸経営なし」とはこのことだ。
出口戦略があってこそ、「出口戦略⇒優れた維持管理⇒
返済後の豊かなキャッシュフロー⇒楽しい老後」という公式が成り立つ。
マンション投資とアパート投資でどちらがいいかは別にして、
この二つにはとても大きな違いがある。
建物管理を自分でやらなければならないのがアパートで、
建物管理は管理組合がやってくれるのがマンションだ。
当然、ずぼらな性格の人にはマンション投資が向いている。
やってみれば分かるが、アパート経営ほど面倒で難しいものはない。
特に老後にはつらい。