忘れえぬ人

死の床まで忘れえぬ人として記憶に残るのは誰と誰だろうか。
小学6年のときに中学生のお兄さんたちを助っ人にして
徒党を組んでクラスのボスだった私に戦いを挑んできたM。
今では、本当に仲のよい老人友達として忘れられない存在だ。
大学時代の友人4人との日本一周無謀ドライブの旅、この記憶は今も鮮烈だ。
その中の一人・Tは日本一の大企業に就職した年に4億円を使い込んだ猛者。
本来なら、総理大臣になってもおかしくない超秀才として忘れられない。
サラリーマン時代の仲間、学習塾時代の生徒や社員、不動産仲間
夫々の時代の中に死の床で懐かしく思い起こすだろう人たちがいる。
そんな今は、歴史的に言えば現代史の真っ只中の「上大岡時代」
その上大岡のマンションライフにも何人かの思い出仲間がいる。
その中の一人であるHさんとは口角泡を飛ばしてよく話し合った。
私が一番嫌いなのが「口は出すが金と汗は出さない」という人たち。
彼はその対極的な存在で、実によく汗をかいた人で敬服している。
しかし、知り合って半年間は頑固振りが際立っていた。
だから、話せば話すほど考え方の違いが目立ち、二人は遠ざかった。
ご多分にもれず、彼は会社時代の手法を「常識」として振りかざした。
そんな彼が最近また私の部屋に何度か訪れてきた。
「マンションをよくしたい」という思いに変わりのない二人だから、
2時間も話すうちに、目頭が熱くなるほど意気投合した。
そう、「話せば分かる」というやつだ。
還暦を過ぎた人間がお互いを分かり合うには時間がかかる。
いろいろな色眼鏡で人を見る悪しき癖まで身についているから。
その意味では、時間がかかったが故に忘れられない存在になった。
特に、お互いに人生の残り時間の少ないという点で、貴重な存在だ。
社会奉仕というお金にならない世界での仲間は実に爽やか。
人生の終盤、あと何人の忘れえぬ人に出会うのか。
それにしても多くの意義深い友に恵まれたよき人生だった。
神様! ありがとう。

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