キャッシュフロー(リライト版)

還暦前の不動産投資と還暦後の不動産投資には大きな違いがある。
還暦前なら、キャッシュフローは少なくても老後のために資産を作りたい。
しかし、還暦を過ぎると、資産を残すよりは多額のキャッシュフローが欲しい。
そう、キャッシュフローとは「お小遣い」のようなものだと考えていい。
年をとったら、多額のキャッシュフローを使って優雅に人生の最後を楽しみたい。
資産作りに夢中になって相続税ばかり増やしても意味がないから。
このキャッシュフローの正しい求め方は
課税所得−所得税−返済元金+減価償却費=キャッシュフロー
しかし、物件を買うか買わないかを一瞬に判断するには面倒な式だ。
この式に使う「課税所得」を求めるために下の計算をしなければならないからだ。
物件の不動産収入−返済利息−固定資産税−諸経費−減価償却費=課税所得
私の駐車場ビジネスにはほとんど減価償却費が生じないから
高木式大雑把キャッシュフロー公式はたった一本の式で求める。
物件の不動産収入−銀行返済額−消費税−固定資産税−幽霊所得税−諸経費
※幽霊所得税は銀行返済額の中の元本返済部分に平均値の20%をかけて求めている。
事例1:駐車場経営
事業資金   ⇒1億円(土地9千万、諸経費1千万)
銀行借入   ⇒8千万円を金利2.5%、20年返済で借入
月間駐車場収入⇒100万円      
銀行返済額  ⇒月額42万円
消費税    ⇒100万の5%で5万円    
固定資産税  ⇒この土地の固定資産税は年間60万円なので月5万
幽霊所得税意 ⇒利息部分を除いた元本返済分には所得税がかかる。
元本返済額は年と共に増えていき、逆に支払利息が減っていく。
事例では返済金42万円の中の25万円が元本返済分と仮定した。
これにかかる税率は人によって異なるが、平均的な20%を使った。
諸経費    ⇒駐車場経営なので、集金などの管理費を13万円とした。

実際に計算して高木式大雑把キャッシュフローを求めてみよう。
月間不動産収入−銀行返済額 − 消費税 − 固定資産税−幽霊所得税−諸経費
100万    42万     5万    5万   25万×0.2  13万
月のキャッシュフローは30万円となる。
この事例では、不動産収入が月間約70万円に減るとキャッシュフローはゼロになる。
だから、月間売上げが70万だと資産作りだけのために気苦労をすることになる。
でも、利回りだけを見ると、月間70万円は年間で840万円だから8.4%。
8.4%といえばかなりの高利回りと言えるから、
借入金の少ないお金持ちには十分魅力的な物件ということになる。
同じ物件でも、自己資金がいくらかによってかなり魅力度が違ってくる。
その意味で、キャッシュフローという数字が重要なのだ。
※1.銀行返済の中の元本返済割合はスタート時が約65%で10年目頃が75%
  当然、20年目に近づけば90%を超え、利息部分が限りなく小さくなる。
  例題では計算を分かりやすくするために60%弱で計算している。
※2.例題では借入金を8千万円にしたが、もともと土地を持っている地主だ  と、
  銀行返済がないので幽霊所得は不動産収入に対する所得ということになる。
  だから、地主の月間純収入は
  月間不動産収入100万−消費税5万‐固定資産税5万−所得税20万−諸経費13万=
  57万 
  月に57万円だから、年間では684万円、つまり年間実質利回りが6.84%。
  1億円を銀行に定期で預けても10万円、何という違いか。
  それでも銀行に預ける臆病な人が多いから、我々のような無鉄砲な人間が潤う。
  
※3.若いときにはこのキャッシュフローを貯金して
  10年以内に借入金を返済してしまう方がいい。
  しかし、還暦を過ぎたら資産など墓場に持っていけないので、
  返済を急がず、旅行をしたり贅沢をして生きるのも楽しい。
では次に商業ビルへの投資を考えてみよう。
事例2:区分所有の築20年商業ビルの50坪ワンフロアー
事業資金   ⇒4300万円(区分所有分4000万円、諸経費300万円)
銀行借入   ⇒3千万円を金利2.5%、10年返済で借入
月間家賃収入⇒現在入居中のテナントの家賃が40万円      
銀行返済額  ⇒月額28万円
消費税    ⇒40万×12×0.05÷12=2万円
固定資産税  ⇒固定資産税は年間16万円なので月1.5万
幽霊所得税  ⇒利息部分を除いた元本返済分には所得税がかかる。
元本返済額は年と共に増えていき、逆に支払利息が減っていく。
事例では返済金28万円の中の16万円が元本返済分と仮定した。
これにかかる税率は人によって異なるが、平均的な20%を使った。
諸経費    ⇒管理費と修繕積立金で5万円。

実際に計算して高木式大雑把キャッシュフローを求めてみよう。
月間不動産収入−銀行返済額−消費税−固定資産税−幽霊所得税−諸経費
40万     28万   2万   1.5万   約3万   5.5万
月のキャッシュフローは0円となる。
厳密には減価償却費がこの投資家に節税効果を発揮するが微々たるものだ。
何故なら、雨漏りなどの事故があれば一発で吹き飛んでしまう額だとも言えるから。
さて、この投資家が若くて定年後の年金対策として考えていたとするなら、
この物件には次のような楽しいストーリーも考えられる。
10年後に自分の生活を圧迫することなく返済が完了する。
マンションの目減りが1千万とするといつの間にか3千万の資産が残ったことになる。
(純粋に増えた分はこれから自己資金の1300万円を差し引いた1700万円)
この借金の無い資産は毎月28万円のお小遣いを生み出してくれる、実に魅力的だ。
そう、テナントさんさえ見つかれば・・・
ということは、人通りのある駅近のいい条件の物件なら「ゴー」ということだろう。
この決断が難しい、投資とはそういうものだ。

芦ノ湖の眺めが魅力的な蛸川温泉「湖畔の湯」の帰り道
大観山付近で出会った霧氷の絶景、車を停めて感動に浸った。

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