雨漏り・水漏れの歴史(2)

雨漏りの歴史はまだまだ続く。
34年間の賃貸業、2年に一度の雨漏りでも17回は経験したことになる。
これを貴重な経験として明るく受け入れるか、不運として涙を流すか。
もちろん、ポジティブな私の性格からすると前者に決まっている。
? 「屋根のドレインに木が生えてきた」
油断していると、屋上のドレインにはめったにお目にかかることはない。
しかし、そんなことではビルのオーナーとしては失格だ。
私もその失格者の一人だった。
建物のメンテには人一倍気を遣っていた私も、
鍵のかかった屋上にはめったに上らなかった。
夏のある日、横須賀の花火大会を屋上から見てみようと思った。
錆びて重くなったドアを開けてびっくり。
四隅のドレインに草や木が生えているではないか。
中でも東側のドレインに生えた木はしっかりと根付いてしまっている。
いろいろな道具を持っている器用な私が抜くのにも1時間はかかった。
後日業者に依頼して、ドレイン周りだけ防水をやり直してもらった。
その後は深く反省して、3月と9月には必ずドレインの掃除をしている。

? 「エアコンダクトの取り付けが原因で」
貸しているビルのテナントさんには
「工事をするときには必ず連絡してください」と言ってある。
でも、エアコンの交換工事などは連絡なしでやってしまう人が多い。
その勝手にやられた工事が原因で雨漏りが起こることもしばしば。
特にダクト関係の工事が雨漏りの原因になることが一番多い。
それなのに、雨漏りの修理代はオーナー負担。
テナントさんに工事の不備を責めるのは簡単だが、
優しい性格の私にはそれを言い出せない。
? 「横殴りの雨がサッシ下から家屋の中へ」
502号室のMさんからの電話、不吉な予感が。
「402号室の天井から雨漏りなんです。
上階の私が水をこぼしただろうって怒鳴り込んできて」
とっさに、昨夜の豪雨が頭を過ぎった。
いつものTさんに電話して、彼と一緒に現場へ行く。
「やっぱりサッシの下の防水の立ち上がりが不十分で」とTさん。
3日後には工事を完了、水道水を放水して実験したがもちろんOK。
? エアボールが配管に穴を開けた
人に限らず、何でも古くなれば壊れやすくなる。
築30年のビルの配管もその例外ではなかった。
使い方の問題ではなく、古くなったから水漏れが始まっただけ。
強いて言えば、銅管だったから傷みが少し早かったかもしれない。
新築時に懲りすぎたデザインを採用するとメンテと修理がしにくくなる。
家のデザインは懲りすぎないのがいい。
30年なんてあっという間に経ってしまうから。
? 「エアコンの水が下の階へ」
エアコンが作動中に大量の水を放出していることは誰でも知っている。
しかし、その排水に気を遣っている人は意外と少ない。
放出した水を流す排水パイプが折れ曲がっていたりすれば、
流れにくくなった水が下の階へと流れていく。
この事故が非常に多いことは意外と知られていない。

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