雨漏り・水漏れの歴史(1)

雨漏りや漏水ほど家を傷めるものはない。
そして、雨漏りや漏水ほど賃貸業者の心を痛めるものもない。
私の賃貸業史は雨漏りや漏水との戦いに満ち溢れている。
嫌な作業だったが、雨漏り、水漏れの歴史をまとめてみた。
? 「樋の詰まりから土台が朽ちた」
隣の家の子供たちの投げたボールが屋根のドレインにすっぽりはまり、
雨の翌日には何度も陸屋根は池のようになっていたようだ。
更に、運の悪いことにその水が壁伝いに下に落ちていたらしい。
もし、天井に落ちてくればすぐに気がついただろうに、
20年も気がつかなかったから、改築で土台を見てびっくり。
何時家が倒れてもおかしくないほどに土台は跡形も無い。
家が倒壊する前に改築をしたその偶然を神に感謝した。
? 「増築の工法が原因で屋根裏に奇妙な樋が必要に」
増築で既存の家に新しい屋根が横から取り付けられた。
その工事を見ていた私は、「大丈夫なの?」と不安に思った。
壁に溝を彫りそこに新しい屋根を食い込ませるのかと思っていた。
でも、大工さんはコーキングで新旧の材料を接着させただけだった。
案の定、4年目の台風の翌朝、「天井が水浸しです」という電話が。
何度かあった地震で、硬化したコーキングが裂け、雨漏りが始まったのだ。
新しいコーキングをさせたが不安だったので、屋根裏に樋を付けさせた。
また雨が漏っても、その水が天井を腐らせないように。
? 「破風の放置が家を破壊」
軒天と垂木の接合部に付けられるのが破風板。
この破風が腐れば当然、台風の雨などは容易に軒板を腐らせる。
最後には胴縁の壁も腐り、家が破壊されていく。
しかし、黙っていればこの破風に気を遣ってくれる大工さんは少ない。
否、「安く作って」という注文主への報復でこんな材料で単価を下げる。
この破風にこそお金をかけて、最高級のものを使わなくてはいけないのだ。
我が家の破風には銅が巻かれ、美しい光を放っている。
もちろん、雨漏りの経験がそうさせたのだ。

? 「隅棟の老朽化で雨漏りが」
建物には何箇所もの接合部がある。
その全てが雨漏りの原因になる可能性を含んでいる。
だから、安易に「予算がないの」などと口にしない方がいい。
お金をけちれば家は安普請になり、結局は長持ちしない家になるから。
その接合部の一つが隅棟。
ここからの雨漏りで泣かされたこともある。
兎にも角にも、建物を長持ちさせるのにはメンテが欠かせない。
? 「バルコニーのドレインくらい掃除してよ」
外人にとって日本での生活は一時的なもの。
だから、庭の木にも水はやらないしドレインの掃除など絶対にしない。
大雨の翌日、その外人からの電話。
「The western balcony is full of water.」
飛んでいくと、ドレインが落ち葉で完全に塞がれている。
10秒で解決したが、ため息が出た。

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