不動産世界の恐怖事件

その1

確定測量図と現況測量図との違いも知らない人は
分かったような顔をして不動産投資などすべきではない。
そこには、まともな人とだけ付き合ってきた紳士には分からない怖い世界がある。
これから書くのは、とてもとてもテクニカルな不動産詐欺の世界だ。

横浜市神奈川区にpさんという大地主がいた。
隣地に住むfさんは、かねがねこの大地主のpさんを妬んでいた。
そして、この隣地の地主の土地を掠め取る方法を考えていた。

ある日、横浜市の職員がfさんの土地を売ってくれと訪ねてきた。
聞けば、fさんの土地を含む大規模区画整理事業絡みらしい。
「これはチャンスだ」とfさんはときめいた。

市との取引だから当然確定測量図が必要になる。
いずれは、頭のゆるい大地主のpさんからもはんこを貰うことになる。
そのときが絶好のチャンスだとfさんは考えたのだ。

fさんの売る土地は正確には200坪弱。
2千坪はある隣地のpさんの宅地は半分以上が森だ。
当然正確な境界杭などないから、これから杭を打つことになる。

立会い当日、あーだこーだと言いながら杭が打たれていった。
そして、10日後、測量士がpさんを訪れ、書類にめくら判が押された。
その時のfさんの土地は、400坪を超えていたが、
pさんがそんなことを知る由もなかった。
そして、Fさんは400坪に相当する代金を横浜市から受け取った。

あれから、何事も無く7年が過ぎた。
pさんも年をとり、相続税対策に敷地内に賃貸マンションを建てることにした。
当然、建築会社が現況測量図を作成した。
pさんが手にした測量図の面積は1800坪だった。

不思議に思ったpさんはfさんを訪ねた。
しかし、全てが遅きに失した。
もちろん、fさんが使った技はここには書けない。

不動産の世界って、本当に怖いですね。

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