無知による損失

非常にきつい言葉だが、無知による損失ほど怖いものはない。
私はその損失を大きく二つに分けている。
当然の利益を失っている場合と当然の利益を生めない場合。
最初に唖然としたのは借地権がらみで前者の例。
借地に住んでいた親戚の者が亡くなったとき、
当然同居している人がその権利を相続するものと思っていた。
ところが、地主に「ありがとう」と言って無償で返してしまったのだ。
「これを機に、借りていたものは返せ」という地主の要望に添ったのだが、
一円も貰わずに返してしまった、ちゃんとした大学を出ている人なのに。
借地権とはどういうものかを知らない恐ろしい事例だ。
もう少し高度な無知の事例は相続がらみ。
ちゃんと税理士に相談して、無事に相続を済ませた知り合いがいた。
資産家の息子だったので、相続税も1億を少し超えていたという。
でも、お茶をしながら相続した土地の話を聞いていて、
「相続税が高すぎるよ」と彼にアドヴァイスした。
高圧線の通る土地にしては評価が高すぎると感じたのだ。
「相続税専門の税理士に相談した方がいいよ」と言って、その日は別れた。
後日、相続税の還付が5千万円あったからと、1割のお礼が送られてきた。
後者の利益を生めない例は余りにも多くて・・・・
600坪の土地を持つ相模原の人の例。
還暦前の彼はサラリーマンで、土地の固定資産税を何年も払わなかった。
そして、ついに滞納した税のかたに抵当権を設定されてしまった。
もちろん、日曜日の野菜作りではそんな税金も払えなかったのだ。
しかし、その土地を見て驚いた。
老人ホーム、トランクルーム、洗車場・・・・・いくらでも稼げる土地なのだ。
彼の友達といえばパチンコ仲間や釣り仲間、土地活用には縁のない人ばかり。
祖先の悲しむ顔が目に浮かぶ。
大学教授がビルを二束三文で手放した厚顔無恥?の事例もある。
3年前まで水産会社が入っていたビル、不況倒産でテナントがいなくなった。
そこで、頭のいい教授は考えた。
「専任媒介にしない方が早く次のテナントが見つかる」と。
そして、あちこちの訳の分からない業者に仲介依頼をしまくった。
中に凄腕の業者がいて、交渉の最中に罠にはまり、結果売る羽目になったのだ。
大学教授だろうが不動産とか建築の世界では赤子同然だということも知らない無知。
それが引き起こした悲劇だった。
無知なら無知だと謙虚になっている人はどちらの損失にも遭遇しない。
怖いのは、無知なのに無知だという認識の無い人たちだ。
{相続税に注意した方がいい相続物件}
? 日照の悪い土地
? 高圧線の通っている土地
? 騒音や悪臭のある土地
? 私道にしか面していない土地
? 築年数の古い賃貸物件の建っている土地
? 物納を却下された土地
? 未舗装の路面に面している土地
? 空室だらけの賃貸ビル
? 土壌汚染のある土地
? 水路に面している土地

旅行作家の姉が染色の取材でラオスへ。喜寿だというのに実に元気だ。
ラオスでは鮨が食べれないだろうと餞別代わりに大間のマグロをご馳走。
http://www.takagimichiko.com/

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無知による損失 への1件のフィードバック

  1. ekatuki のコメント:

    600坪の土地を持つ相模原の人の例
    >>周りにいっぱいいます。 私のような風体が悪い人間がアドバイスしても怪しい眼差しでお断りされます。
    で、10数年後切羽詰って、誰か借りてくれる人いない?と言われますが「いや、その保証金はいまどき無理でしょ」というくらい一発で借金返そうというくらいの金額なんです。
    無知なのに無知だという認識の無い人たち 
    ・・・は、先祖から君子危うきに〜の教えを守った方達でしょうか?おいしい話が来たら疑えと・・・
    にしても税金払い終わった給料で買ったものにまた固定資産税、死んだらまた相続税・・・
    一般ピーからしたらこんな日本で買う気も起きんわなぁ・・と思います。
    プロレタは極力プロレタで一生を終わらせないとブルジョアが成り立たない世の中ですね。
    そのためになるべく学習させないよう日本には娯楽がいっぱいあるんでしょうか??
    労働の憂さ晴らしを娯楽で補え・・みたいな。
    中近東やアフリカのように日本の一般ピーが衣食住以外のものに金を使わなくなると日本の経済は1年持たないんじゃないかと想像してます。

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