不動産ブローカーの実力者にお目にかかることは難しい。
ブローカーなんて大概はただの口利きで、
楽して儲けようと企むが結局は成約まではいかず、
実際の生活はひどく苦しい人たちがほとんどだ。
しかし、今回は違った。
売り手の不動産所有会社を完全にコントロールして、
このブローカーK氏を通さない買い手は全てブロックされていた。
千代田区の一等地を購入する過程でこの男に遭遇した。
彼を通さないとこの土地は買えないという情報をくれたのは
日頃から親しくしている駐車場事業の仲間からだった。
始めは「土地なんて不動産業者を通せばどこからだって買える」
そう思って動いたが、どうもいつもと勝手が違っていた。
「人生も仕事も、結局はどんな人と絡むかで決まる」という考えなので、
素直にこの男に会ってみようと作戦を変えてみた。
先ず彼に会い、それから依頼するかどうかを決めることにした。
まだ40そこそこのこの男は愛くるしい顔で現れた。
自分の子供より若いが、如才なさは一流で、
お互いがうちとけるのに3分はかからなかった。
駅改札でおち合って、
予約してあったフランス料理店までの5分でこの男との取引を決断した。
「この男は使える」そんな空気を発散していた。
百万円単位の謝礼金額も惜しくない実力者であることが分かった。
我々不動産活用屋にとって、人脈は金脈なのだ。
よい情報を持つ人、豊富な知識を持つ人、確かな人脈がある人
そして最後に若いセンスを持つ人たちに囲まれていれば、
面白いほど仕事はどんどん前に進む。
古希を迎える私にまた一人、若い友達が増えた。
若い友達は今を勝ち抜く事業センスを磨くには必然の存在だ。
ソフトバンクがドコモを抜いた。
古い頭の役員ばかりのドコモが抜かれるのは目に見えていた。
トップが年寄りばかりでは、今の事業で勝ち抜くことはできない。