後継者育成

「親戚の家はお金持ちなのに喧嘩ばかりしているんです」
授業が終わってから生徒が聞く、
「お金があっても幸せっていうことじゃないんですね」
70になるお父さんが始めたレストランは一日の売上げが平均で15万。
お父さんと息子夫婦にバイトが一人の店の売上げとしては確かに凄い。
彼は学生バイトとしてこのひと夏をこのレストランで過ごしてきた。
そして、閉店後の家族の言い争いを毎晩見せられたという。
息子がシェフなのだが、実権はお父さんが握っていて息子はただの給料取り。
だから、いくら頑張っても手取りは変わらないので息子がやる気をなくしている。
当然嫁さんも不満タラタラ、何時崩壊してもおかしくない家族に見えたという。
「三十にして立つ。 四十にして惑わず。 五十にして天命を知る」
このお父さんはこの次の下りをもう少し理解したらいいのでは・・・
「60にして耳従う、 70にして心の欲する所に従って矩をこえず」
この「耳従う」は「何を聞いても動じない」という意味らしい。
思うに、お父さんは実権を息子に委譲し、自分が給料取りになるべきだ。
そんな勇気を持たないと、息子の幸せと成長が期待できないと思うのだが。
彼が60代のいつからか、もしそんな風にして耳に従っていたら、
この店には閉店後も笑いの絶えない夜が訪れただろうに。
70代の成功者や資産家でも不幸な人が実に多い。
「後継者育成」を誤るととんでもない老後が訪れる。
今度は大田区で資産家が殺された、板橋の事件が未解決なのに。
皆、老後の準備を含め後継者育成への取り組みが疎かなのだろう。

ベランダのカポックをシマトネリコに模様替え

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後継者育成 への2件のフィードバック

  1. ekatuki のコメント:

    先日ディナーラッシュという映画をJcomで見ました。ノーガンノーナイフの意思を貫き通した「老いた街の顔役」と、その世界のあとを継がずコック一筋で父の経営するイタリアンレストランでいつあとを継がせてくれるのか?という息子のやり取り中心ですが、
    大きなレストランなので厨房、ホール、フロント、バーカウンター、オーナーと新参者のマフィアとの抗争などなどの1日でのめまぐるしい個々のストーリーです。
    自分にとっては父が息子に「後を継がせるタイミング」の映画でした。
    いつ、後を継がせるか、いつのれん分けをさせるか
    の分岐点に立たされた今年の夏でしたが、
    皆がやるべきことをやって、数字を出して、参加者、お客様とのコミュニュケができるようになったので
    今週末のソレイユの丘のカーショーを最後に総監督&運営責任者を引退し7つのショーにのれん分けすることに決めました。
    年1回で1〜2万人より年7回で7万人のギャラリーのほうがみんなが潤う仕組みが出来て何よりかなと思いました。
    また自分のビジネスのために始めたことですが、13年もついてきてくれる人達がいると委譲の気持ちにもなりました。
    フリーマーケットの胴元引退期もそうでしたが、
    のれん分けの後は各々のショー監督から情報をもらいそれを役立ててビジネスの糧にしようかと思います。

  2. 高木 のコメント:

    「後を継がせるタイミング」って本当に難しいよね。
    誰に継がせるかと何時継がせるか、永遠のテーマだね
    フリーマーケットの胴元だの総監督だのと興味が尽きない仕事をやって来ているようで益々神秘的だよ。

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