楽々人生への道

覚悟
日経新聞の「私の履歴書」を読み始めて久しい。
中でも事業家の履歴には特に興味がある。
著者の苦しかった時代の話に自分の過去の辛酸を重ねる。
彼らのような大物でも死の深淵を覗き、「覚悟」を体験する。
両手に余るスクールを展開し、借入金が5億を超えたときがあった。
そんな危ない橋を渡っているときの「もし反乱が起きたら」という恐怖感。
それは体験した者でないと分からない恐ろしいストレスだった。
現実には塾を売却した後に反乱が起きた。
Nスクールには350人の生徒がいたが、200人近くを引き抜かれた。
もし売却前なら、心労でぶっ倒れたに違いない。
「反乱による倒産」という恐怖から、借入金に相当する保険に入った。
倒産したら死んで家族を守ろうと思っていた。
そう、それは一つの「覚悟」だった。
「覚悟」が出来ると人生は楽になる。
「死ねばいいのだ」という妙な安堵感が湧いてくる。
否、そうでも思わないと毎日がやっていけないのだった。
仕事がうまくいかないという後輩から相談を受けることが多い。
決まって私は聞く、「覚悟は出来ているか」と。
多くの場合、「そこまでは・・・」という返事が多い。
独り者の事業家の覚悟は「生活保護生活」だろうか。
倒産で死ぬのは保険金目当てだから、独り者は死ぬ必要はない。
そんな際どい話が通じない人は事業をやる資格がないと思っている。
特技のない人間が生涯自営で生きるのは並大抵のことではないから。
穏やかな顔は「覚悟」を経験した人に多いような気がする。
高僧は修行を通して「覚悟」を勉強するという話を聞いたことがある。
還暦を過ぎたら、穏やかな顔の人になりたい。

日産ビルからの横浜駅東口風景

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