楽々人生を求めて

類は類を呼ぶ
その小料理屋には週に2〜3回は足を運ぶ。
当然顔なじみもいて、好き嫌いに関係なく雑談をする。
自慢話ばかりの人、猥談の好きな人、無口な人、聞き上手な人・・・
夜の小料理屋に足を運ぶということは、家庭が壊れているということか?
一家団欒の家があれば、週に何度も来るはずがないと思うのだが・・・・
妻に先立たれた人、妻が料理を作らない人、四十路の独り者・・・
もちろん、ここの料理が旨くて足を運んでいる人もいる。
ここの飯を食いながらの仲間と話が生きがいの人もいる。
家に仕事のストレスを持って帰らないための人もいる。
こうして、日が落ちる頃、ここにはこんないろいろな類が集まってくる。
一回の御代は2千円から6千円、どうしても飲兵衛は高くなる。
行きつけのすし屋に比べれば半額だが、一月にしたらかなりの額になる。
世の中、金のある人が多いものだと感心する。
ここでは死に急ぐ人が実に多い。
急に来なくなった人の一番多い理由が訃報。
ここの客には齢60くらいで世を去る人が実に多い。
よく話す55歳のMさんも、痛風だの高血圧だのと病気の宝庫。
それでもほぼ毎日来て、飲む量を減らす気は毛頭ないようだ。
ある晩、「本気で死ぬつもりだから」と洩らしたことがある。
最近彼女ができて、ここに来なくなった三十路の男がいる。
夢のある人や家庭のしっかりした人はあまり来ないようだ。
ここには毎晩明るい声は響いているが、どことなくペーソスが漂っている。
私も早くここを卒業しなければ・・・

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楽々人生を求めて への2件のフィードバック

  1. ekatuki のコメント:

    お店により客層もかわりますよね。
    私は40にしてようやく余裕が出てきましたので2週間に1度外食をするようになりました。
    星がつくほどの厨房にいたのにお金を出して食べた事がなかったので最近まで未知の世界でした。
    ファミレス等と違い、落ち着いておしゃべりできるし、知り合いも出来てビジネスにつながったりしています。
    ファミレスなんかではまず知り合わないだろうという人と知り合いになると嬉しかったりします。
    あとは先生のおっしゃってた魑魅魍魎的な人物を見極める力もつけつつ。
    おしゃれで高級なお店ほど魑魅魍魎度も上がる事がわかりました。

  2. 高木 のコメント:

    厨房の経験がある人がお客になると
    普通の人とは違う感性でお店を楽しむのでしょうね。
    今、大好きな店は
    冬の徳山、うかい亭、纏鮨、鹿島鮨、石川・・・・・
    美味しいものを食べるって最高に幸せですよね。

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